ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Château Griffe de Cap d'Or 1999 AC Saint-Georges Saint-Émilion
セラーの中を整理していたらまだ1本残ってました! 昔あのチュヌヴァンのオッサンが現れたあと、次々と雨後のタケノコのように出てきては騒がれたワインの1つであります。ですが2年程前に残っていた1本を開けたときの感想がこちらで、そう長くは保たなかったことをお知らせしました。
これがその最後の最後の1本、また見つかったので取り敢えず開けてみたのでレポートします。

キャップシールはトップに孔無しの錫箔、コルクの状態もご覧の通り悪くはありません。

コルクを抜いたとき少し焦げ臭さが感じられたものの「酢」にはなっていないようです。外観から澱が見えたのでデカンタします。
デカンタと云っても空き瓶に移し替えるだけ、下に白い紙でも置けばロウソクなど使わなくても澱は目で見られます。

澱との分離が主な目的なのですから高価なデカンタやカラフなどは不要、昨日飲んだワインの空き瓶で十分事足ります。手先がふらつくようなら漏斗など使っても良いのでは!

澱の部分は50ccほど、まあまあうまくデカンタは出来ましたがグラスに注ぐと既に色はガーネット、それもかなり茶色味を帯びた安物のガーネットであり10年保たずに御陀仏寸前であります。
酸や渋みは収束するものの樽を焦がした結果でしょうか、苦みは依然として残っており味わいは全く平板と云うか凡庸、メルローの旨味など殆ど感じることはありません。
澱の部分は残し何とか飲み切れたのが不思議な位であります。比内地鶏の腿をソテーして茸のクリームソースで頂きますが茸との相性は良さそうだったのがせめてもの救いでしょうか。

いつの時代に於いてもフランスの専門誌、あるいはアメリカのワイン専門誌が絶賛しようが10年もたたない内にこのような結末を迎えるワインは今までどれだけあったことでしょう。雑誌の評価を鵜呑みにするのは消費者よりもバイヤーであることが多いと云うことを知って頂きたいと思います。

所詮は分からないから他人の意見を採り入れてしまうだけのお話であります。「世間で騒がれそうだから取り敢えず今の内に買っておこう」ってな理由でバンバン買ってしまうバイヤーがとても多い。それは最近のビオ・ワインが全てそんな感じで買われているからボチボチ気が付いている人も居られるはず。旨いか不味いか分からない、保つか保たないかも分からないお気の毒なバイヤーを雇っているのが某国ワイン業界の実態であります。

ワインのお話に戻りますが、2001年のことだったでしょうか、最初にこのワインに出会ったとき焦げた樽香を感じたのは記憶に鮮明であります。

いつも申し上げる通りワインはブドウで造られるもので樹木のエキスではありません。

従って葡萄の風味よりも木材のニュアンスが勝っているような液体は時間が経過しても決して美味しくは成りません。

桃栗三年柿八年と申しますが、若い樹から採れた葡萄にきついきつい樽を効かせても決して良い結果は生まれません。

一評論家の好みに合わせて濃い色、濃い味のワインが氾濫しています。元々偽物ワイン造りに使われていたはずですが、今や一般化してしまった果汁濃縮機の多用で普通では不可能な程濃いワインが造られるようになってしまいました。

濃い物好きなのは評論家だけではありません。

芸能人の多くは濃い味が大好き。料理人から化学調味料なしでは芸能人の多くを満足させることは不可能と聞いたことがあります。

不自然であっても濃い物を要求するユーザーが沢山居られる訳ですからこうした傾向はますます続いてしまうであろうと思われます。

ですが私はそういったワインを良しとしません。

まともなものを食べるようになればこうした異常なワインからは離れていくはずであります。

毎日の食生活が全てを語っています。食材本来の味を大切にしたいと考える次第であります。
| ワイン日記::フランスワイン |
| 11:38 PM | comments (1) | trackback (x) |
コメント
果汁濃縮。どうかは、わかりませんが、濃縮還元ジュースを飲んだような後口の不自然なワインが多くなっているのは事実ですね。
昨日、とある、宝塚のバーで…。
「higeさん、美味しいワインありますよぉ」
「ホント?ではいただきます」
日本酒飲んで、スコッチ飲んで少しのみ物に飽きてきたころでした。『むむ、なんじゃこりゃ』
濃い濃いイタリアのワインでした。濃縮ジュースかな?
『むむむ、みんなにおごろうっと…』
ひとつのテーブルに知り合いや知らない人、8人ぐらいいたので1本があっという間になくなりました。
『ああ、よかった。ひどいワインだったなぁ…』
『higeさん、もっと美味しいのあるよ』
「もう、いりません。スコッチ飲みます」
「まぁ、そう言わんと。もう開けちゃいました…」
いやな予感
| higemaster |2008/12/03 05:01 PM |

PAGE TOP ↑
コメントする








絵の中の文字を入力して下さい:



PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインと葡萄::Château Griffe de Cap d'Or 1999 AC Saint-Georges Saint-Émilion
All Rights Reserved./Skin:oct