ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

バックハウス@カーネギーホール1956年4月11日
8cd0118.jpg本当に久しぶりのピアノCDネタです。30センチLPの収集は1968年の頃からでしたが当時のレコード録音と云えばどれも似たり寄ったりで特にピアノだけの録音で優れたものは演奏自体が無味乾燥であったり、演奏は白熱するも録音がノイズだらけだったりして買うたびにガッカリさせられたものです。ピアノ自体の音に魅せられたのはアレクシス・ワイセンベルグが自ら引っ提げて持ってきたスタインウェイのD。フェスティバルホールに備え付けのスタインウェイは残念ながら痩せた音でコンチェルトなどではオーケストラの音に吸収されてしまいそうな喘ぎ音しか出ず不満の残るものでしたがワイセンベルグのスタインウェイは実に豪快な音を発しました。ラフマニノフの3番は未だに覚えており、アンコールに第3楽章途中からもう一度演奏したのには正直驚きました。その後ワイセンベルグは何度も来日しましたがアンコールだけで1時間以上、さいごの「主よ人の望みの喜びを」を聞くまで帰らない聴衆が大勢残っていたのもよく覚えています。
私にとって録音が素晴らしく演奏も秀逸という初めてのレコードと云えばウラディミール・アシュケナージのリスト、超絶技巧練習曲集(抜粋)です。
さて表題のCD、実はバックハウスはこの頃既に亡くなっていたのです。バックハウスの没年は1969年、大阪万国博覧会の前の年ですが当時私はリヒテルとギレリスに魅せられており演奏家と云えばロシア系が好みでした。

昔レコード録音でがっかりしたものをCDになったからと云って買う勇気はありませんでしたが、凡そ30年振りに購入したバックハウスのライウ゛録音、果たしてどんなものなのでしょうか?
メインはベートーヴェンのピアノソナタ第14番月光と第29番ハンマークラヴィーアであとはアンコールからのピックアップであります。まず音質は驚く程良く、ノイズなど殆ど気になることはありません。月光の演奏については好みが分かれるかも知れませんが第3楽章は迫力ある弾き方で構築力の鋭いバックハウス往年の名演と申せるでしょう。
驚きはハンマークラヴィーア! 第1楽章から速いテンポで聞き手を虜にしてしまい、第3楽章で飽きさせることもなく第4楽章のフーガではまさに聞く者を圧倒してしまいます。昔に他のレコーディングのもの(全集だったかな)を聞いたはずですが、記憶のものとは大違いでこれこそハンマークラヴィーアではポリーニを凌駕する名演奏ではないでしょうか!
アンコールはどれも素晴らしく特にショパンのエチュードが印象的です。
私はHMVで買いましたが、音楽CDは昔のものより今現在の方が遙かに進歩しているのですね、昔の名演盤は買い換えた方が良さそうです。
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| 03:25 PM | comments (0) | trackback (x) |
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