ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Précoce Bousquet B 正式名称 Honigler




結論から述べると、昔からの定説「プレコス・ブスケは1898年にフランスのタルヌ県でチエリー・ブスケ氏がシャスラとオンダンクの交配により出来た葡萄」というのは全くのデタラメだったのかもしれないということ。

フランスではその名を葡萄名に残しているが、ブスケ氏はハンガリーから持ち帰った葡萄をさも自分が交配により造ったと喧伝しただけだった可能性が示唆されている。

このように、いつ誰が何某と何某を交配して作った葡萄というのは今後覆される可能性が高いのかも知れない。

現在 VIVC では正式名称は HONIGLER オニグラーとして登録、原産国はハンガリーとしている。昔の親子関係については削除されていている。

現在のデータは次の通り

Prime name  HONIGLER
Color of berry skin  BLANC
Variety number VIVC  5417
Country of origin of the variety  HUNGARY
Species  VITIS VINIFERA LINNÉ SUBSP. VINIFERA
Pedigree as given by breeder/bibliography
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1
Prime name of parent 2
Parent - offspring relationship  YES

親子関係の「YES」をクリックするとこちらが現れる。

つまり次に述べる親子関係は存在しないということ。

2013年の拙ブログを見ると、当時のデータは残っていないが VIVC も次の見解を示していたようだ。

Original pedigree  CHASSELAS × ONDENC
Prime name of pedigree parent 1  CHASSELAS
Prime name of pedigree parent 2  ONDENC

葡萄の戸籍謄本みたいなパスポートデータだが、実は書き換えられるということ。

人の戸籍は普通書き換えられることは無い(僧籍を取れば別だが)が葡萄の戸籍謄本はそうではなく時として書き換えられるのだ。

遺伝子の解析結果の出ていないままのデータはあくまで参考程度と考えた方が無難かもしれない。

しかしながらレ・セパージュのサイトや INRA 系の Réseau Français des Conservatoires de Vigne では今現在も次のように示している。

前者では

Identification/Origine : serait un croisement entre le chasselas et l'ondenc obtenu dans le Tarn en 1898 par Thierry Bousquet.
1898年にフランスのタルヌ県でチエリー・ブスケ氏がシャスラとオンダンクの交配により生まれた葡萄としている。

後者では交配に関わった人物欄がいつの間にか空欄になっているが、母親はシャスラで父親はオンダンクと記載が残ったままである。また2013年では確かに=と記載あったはずが、今ではPrécoce Bousquet [Synonyme : Honigler] と改められている。

Mère selon obtenteur : Chasselas
Père selon obtenteur : Ondenc

フランスのサイトはこの説を支持している訳だが、関わる2つの葡萄の親子関係は VIVC では全く存在しない。

新たな親子関係についてはそのうち明らかになるはずである。フランスではプレコス・ブスケと知られる白葡萄、実はハンガリー原産のオニグラーだったというお粗末な話だ。ちなみに2016年現在その栽培面積は僅か2.8ヘクタール、AOC を有するワインにはもちろん使えない。
| ワイン雑感 |
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