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Morrastel N 正式名称 GRACIANO




フランス政府はこの葡萄を モラステルN と登録、法令文言にもこの名称を使っていますが世界的に通用する正式名称は Graciano グラシアーノであります。何故モラステルを使っているのかというとフランス国営農学研究所の発表するデータ ではこの葡萄はフランス原産としており、従って名称もフランスで通用している Morrastel が正しいという訳なのです。

しかし VIVC2 のパスポートデータでは原産国はスペイン正式名称は GRACIANO グラシアーノ、栽培面積はフランスでは僅か 18ha (2011年)に対してスペインは 1,478ha (2008年)、ポルトガルやイタリアでも3桁の栽培面積があります。

グラシアーノの親子関係を見ると MONASTRELL 、MOSCATEL ROMANO FAUX 、そして PLANT DE VIC 98 N 4 の3つが挙がっています。最も重要なのは1番目のモナストレル、フランスでは Mourvèdre N ムールヴェドルと呼ばれる黒葡萄で、名前が似ているだけでなく親子関係も認められるという近親者であります。

さてモラステル、グラシアーノが使えるアペラシヨンですが以前のブログで取り上げたサイトはいつの間にか内容を変えて更新しているのでウェブ魚拓を取り検証してまいります。

サイトでは2つの領域で9つのアペラシヨンで使えるとしています。

まず補助葡萄ながらも10%以下ではないというカテゴリーに

Languedoc : Languedoc Pic-Saint-Loup

ラングドック地区のラングドック・ピク・サン・ルーとしていますが現在のアペラシヨンは ラングドックの1つのデノミナシヨンから独立を果たし AOC Pic Saint-Loup となっています

アペラシヨン・ピク・サン・ルーの法令詳細から葡萄規定の主な部分を抜粋すると

1° - Encepagement .
a) Les vins rouges sont issus des cepages suivants:
Cepages principaux : syrah N, grenache N, mourvedre N.
Cepages accessoires : cinsaut N, carignan N, counoise N, morrastel N.

b) Les vins roses sont issus des cepages suivants :
Cepages principaux : syrah N, grenache N, mourvedre N.
Cepages accessoires : cinsaut N, counoise N, morrastel N, grenache gris G.

2° regles de proportion a l’exploitation:
a). Vins rouges :
- 2 cepages principaux sont obligatoirement presents dans l’encepagement.
- La syrah N doit representer au moins 50 % de l’encepagement.
- Les cepages accessoires ne peuvent representer ensemble ou separement plus de 10% de l’encepagement.
b) Vins roses :
- 2 cepages principaux sont obligatoirement presents dans l’encepagement.
- La syrah N doit representer au moins 30 % de l’encepagement total.
- Les cepages accessoires autres que le cinsaut N sont limites a 10%.
- le cepage cinsault est limite a 30 %.
c) Ces regles de proportion ne s'appliquent pas aux operateurs producteurs de raisins ne vinifiant pas leur production, et dont l’exploitation dispose d’une superficie classee au sein de l’aire parcellaire delimitee inferieure ou egale a 1,50 hectare en appellation d’origine controlee ≪ Pic Saint-Loup ≫.

即ちピク・サン・ルーの赤ワインは主要葡萄(シラー、グルナッシュ。ムールヴェドル)から2つの葡萄(シラーは50%以上)を必要とし、補助葡萄(サンソー、カリニャン、クノワーズ、モラステル)は単独でまたは混ぜても全体の10%以下
ロゼは主要葡萄(シラー、グルナッシュ、ムールヴェドル)から2つの葡萄(シラーは30%以上)を必要とし、サンソー以外の補助葡萄は10%以下、サンソーは30%以下と定められ、1.5ヘクタール未満の栽培生産農家の場合はこの適用を除外するとしている。

つまりアペラシヨン・ピク・サン・ルーでモラステルは10%以下の補助葡萄でしかありません。従ってサイトの説明第1項目は正しくはありません。

次のアペラシヨン・ラングドック関連ですがサイトが挙げているラングドックのラングドック、ラングドック・カブリエール、ラングドック・グレ・ド・モンペリエ、ラングドック・ラ・メジャネル、ラングドック・サン・クリストルという5つはアペラシヨン・ラングドックのデノミナシヨンであるため、これら5つはすべてアペラシヨン・ラングドックでしかありません。

ラングドック関連の最後の AOC Terrasses du Larzac はアペラシヨンから独立して独自のアペラシヨンとなったためラングドック関連のアペラシヨンは合計2つということになります。

コルスの2つはそれぞれ独立したアペラシヨンであり前回の拙ブログに書いた通りモラステルはコルスの2つのアペラシヨンでは10%以下の補助葡萄であります。

従って当該葡萄のモラステル正式名称グラシアーノはラングドック地区の3つのアペラシヨン(AOC LANGUEDOC 、AOC PIC SAINT-LOUP 、AOC TERRASSES DU LARZAC)とコルスの2つのアペラシヨン(AOC AJACCIO 、AOC CORSE もしくは VINS DE CORSE)に於いて、10%以下という規定はあるものの補助葡萄として法令にその名前はありますというのが正しい解釈であります。

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