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Grand Noir de la Calmette N 正式名称 Grand Noir




シノニムを本来の名前と思い込んでいる人が結構多い。例えばガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブランが代表的なそれ。正式名称は Gamay Noir ガメイ・ノワールである。如何にもそれらしき名前が当該葡萄のグラン・ノワール・ド・ラ・カルメット、フランス政府もこれを以て正式名称と登録している。

ところが VIVC 、現在改められた VIVC2 では正式名称 GRAND NOIR グラン・ノワールとしている。

拙ブログでは 2013年 11月にこちらで取り上げた。当時は遺伝子の解析が進んでおらず、次のような親子関係がデータとして登録されていた。コピーすると

Original pedigree   ARAMON × PETIT BOUSCHET
Prime name of pedigree parent 1   ARAMON NOIR
Prime name of pedigree parent 2   BOUSCHET PETIT
Breeder   Bouschet, Henri

即ち母親がアラモン(正式名称アラモン・ノワール)、父親がプティ・ブーシェ(正式名称ブーシェ・プティ)の交配で生まれたのがグラン・ノワールということ。

ところが最新の VIVC2 では次のように改められた。

Pedigree as given by breeder/bibliography  ARAMON × PETIT BOUSCHET
Pedigree confirmed by markers  GRACIANO × BOUSCHET PETIT
Prime name of parent 1  GRACIANO
Prime name of parent 2  BOUSCHET PETIT

開発者の説明ではアラモンとプティ・ブーシェの交配だったが、遺伝子解明の結果母親はアラモン・ノワールではなくスペイン原産のグラシアーノ(フランス政府はMorrastel N の名称で公認、登録している)、父親はブーシェ・プティと判明した訳である。(ブーシェ・プティも交配による葡萄だが父親のタンチュリエは判明しているが母親はリンク先のないアラモンである)

いつも云うことだが葡萄の遺伝子解明はまだ始まったばかりで、しょっちゅうコロコロ結論が変わるというのが今の時代である。常に新しい情報を得るよう努力する必要がある。

ところで例の愛煙ワイン評論家が執筆したワイン用葡萄という分厚い本は絶版となったようだ。時代錯誤的なこの本、絶版となって当然である。

さてこのグラン・ノワールは生まれ故郷のフランスよりもポルトガルやスペインで広く栽培されているのが現状であり、フランスでは1988年には 464ha あった栽培面積だが 1999年には僅か 4ha 程でしかない。

IGP の葡萄規定に詳しいサイトは当該葡萄を取り上げていないから、フランスの各 IGP 葡萄規定に恐らくグラン・ノワール・ド・ラ・カルメットの名前は載っていないはず。
| ワイン雑感 |
| 04:15 PM | comments (0) | trackback (x) |


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