ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Gamay N Gamay Noir




画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借した。

ガメイ、最近はギャメなんて呼ばれているが本来の名称は Gamay Noir ガメイ・ノワールである。昔からワイン好きな人達には敬遠されがちな葡萄かもしれない。1970年代から1980年代にかけてはまともなガメイ・ノワールのワインは輸入されていなかったと思う。特有のガメイ臭と呼ばれる匂いが好きにはなれなかったのだ。実は私もその一人だった。

ところがネゴシアンのルイ・ジャドー社がシャトー・デ・ジャックを買収してから私の考えは一変した。

昔覚えた厭な匂いは一切無いガメイ・ノワールの初体験だったのだ。

アリゴテも同様誤解されやすい葡萄である。状態のよくないアリゴテを経験した人が多いはずである。でも探せば素晴らしいものに必ず出会える、それがワインの魅力なのだ。

さてガメイ・ノワールに話を戻そう。2013年1月に書いた時点でこのガメイ・ノワールの親子関係はピノ・ノワール×ホイニッシュ・ヴァイスから生まれた葡萄であった。拙ブログのこちらを参照いただきたい。

しかし今現在母親はリンク先の無い PINOT となっている。即ちピノ・ノワールではないという事だ。VIVC のパスポートデータはこちら、コピーすると


Pedigree confirmed by markers PINOT × HEUNISCH WEISS
Prime name of parent 1 PINOT
Prime name of parent 2 HEUNISCH WEISS

父親の HEUNISCH WEISS はリンク先つまりホイニッシュ・ヴァイスのパスポートデータに繋がるが母親の PINOT にはリンク先が無い。つまり得体の知れない葡萄という結論である。もちろん将来データは書き換えられる可能性もあるのだから見守る必要がある。

パスポートデータからガメイ・ノワールのシノニムはなんと151もあり、世界中色んな地域で栽培されている事を物語るものだ。フランスだけでも19の地域、53のアペラシヨンで使われる葡萄である。詳細についてはこちらのサイトをご覧あれ。

但しガメイのモノセパージュについてこのサイトで抜けているのはトゥーレーヌ。アペラシヨン・トゥーレーヌの中でトゥーレーヌ・ガメイの表示のあるものは実はガメイ・モノセパージュではない。ガメイ・モノセパージュはトゥーレーヌ・プリムールの赤ワインである

根拠を示そう。AOC Touraine で Touraine Gamay と表示のあるワインの葡萄規定は

Vins susceptibles de bénéficier de l’indication « gamay »
- cépage principal : gamay N ;
- cépages accessoires: cabernet franc N, cabernetsauvignon N, cot N et pinot noir N.

その割合規定は

Vins susceptibles de bénéficier de l’indication « gamay »
La proportion du cépage principal est supérieure ou égale à 85 % de l’encépagement.

つまりトゥーレーヌ+ガメイの表示のある赤ワインの主要葡萄はもちろんガメイ・ノワールだが、その割合は 85% 以上であればよく、併せて 15% 以下ならカベルネ・フラン、カベソー、コットあるいはピノ・ノワールも使えるという事。

しかしトゥーレーヌ・プリムールの表示のある赤ワイン(またはトゥーレーヌ・ヌヴォーの赤ワイン)の場合

Vins rouges susceptibles de bénéficier de la mention «primeur» ou « nouveau » gamay N

即ちトゥーレーヌ・プリムールもしくはトゥーレーヌ・ヌヴォーの赤ワインはガメイ・ノワールだけでしか造られないという事。

同サイトではアペラシヨン・ガイヤックをガメイ・ノワールのモノセパージュとして取り上げているが、アペラシヨン・ガイヤックの赤ワインの葡萄規定は次の通り

b) - Les vins rouges et roses sont issus des cepages suivants :
- cepages principaux : duras N, fer N, syrah N ;
- cepages accessoires : cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, gamay N, merlot N, prunelard N.
a) - Les vins rouges susceptibles de beneficier de la mention ≪ primeur ≫ sont issus du seul cepage gamay N.

割合規定は

b) - Vins rouges et roses :
- La proportion de l’ensemble des cepages principaux est superieure ou egale a 60 % de l’encepagement ;
- Les cepages duras N et fer N sont obligatoirement presents dans l’encepagement ; la proportion de ces cepages, pris ensemble ou separement, est superieure ou egale a 40 % de l’encepagement et la proportion de chacun est superieure ou egale a 10 % de l’encepagement ;
- La proportion du cepage prunelard N est inferieure ou egale a 10 % de l’encepagement.

詳しくは拙ブログの AOC Gaillac を、ガイヤックの赤・ロゼの通常葡萄規定で主要となるのはデュラス、フェール、シラーで、ガメイ・ノワールは補助葡萄でしかない。しかしガイヤックでプリムールもしくはヌヴォーの表示を伴う赤ワインはガメイ・ノワールしか使えない。

モノセパージュとしてガイヤックを挙げるのであればトゥーレーヌも挙げなければならない。

他にもあるかもしれないがガメイ・ノワールの使える AOC 、IGP についてはこちらを。
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