ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Courbu B その4
チャコリとは元来家庭消費用のワインとしてバスクに根付いたはずなので当時その地域で栽培されていた葡萄(恐らく正式名称 ONDARRABI ZURI そして ONDARRABI BELTZA )などでワインを造っていたはず。
ところがフィロキセラの襲来でそれらの葡萄は壊滅状態になってしまったためフランス南西地方から葡萄を移植した。

それらが何か特定出来ないままワインを造り始め、チャコリの名前が世界中に広がったためスペイン政府は栽培されている葡萄を確認もそこそこに、慌てて法令を作成した。そのため法令とは異なる葡萄が見つかったというお粗末な話である。

ノア といえばアルマニャックの原料葡萄の一つであるバコ・ブランの父親となった葡萄で、過去に於いてフランス国内で栽培されていた。しかし1935年の法令で Clinton 、Herbemont 、Isabelle 、Jacquez 、Othello と共に栽培禁止になった(醸造すると若干のメタノールが発生するとの理由)。
大量の栽培は禁止されたもののワイン造りにさえ使用しなければ栽培は可能だったみたいで南西地方では結構栽培されたのかも知れない。2003年9月6日にこの法令は解除となり現在は栽培しても良いはず。

今後チャコリの指定栽培地に於いて他にどんな葡萄が見つかるのか想像に難くない。

さて本筋に話を戻そう。Courbu Blanc クルビュ・ブランはフランス南西地方の2つのアペラシヨンで主要葡萄となっている。葡萄とアペラシヨンについては次の2つのサイトに詳しいが若干の相違があるので検証してみよう。

先ずはこちらのサイトを見ると IGP は無視して AOC だけに絞ると AOC Pacherenc du Vic-Bilh そして AOC Irouléguy (blanc) に於いて主要葡萄、AOC BéarnIrouléguy (rosé) 、Jurançon 、そして Saint Mont (blanc) で補助葡萄とある。

ところがこちらのサイトでは上記と異なる見解を示している。

結論から先に述べると今回の場合は前者の見解が法令にそぐうものである。

後者は AOC Béarn で当該葡萄 Courbu Blanc は 10% 以下しか使えない補助葡萄としているが、法令の葡萄規定は次の通り。

- cépages principaux : gros manseng B, petit manseng B, raffiat de Moncade B ;
- cépages accessoires : camaralet de Lasseube B, courbu B, lauzet B, petit courbu B, sauvignon B.

d) – Vins blancs :
- La proportion des cépages accessoires est inférieure ou égale à 30 % de l’encépagement.
- Le cépage raffiat de Moncade B est obligatoirement présent dans l’encépagement.

即ち主要葡萄のうちラフィア・ド・モンカードは必須であるということ補助葡萄は全体の 30% 以下に制限されていると云うこと。従ってアペラシヨン・ベアルンではクルビュ・ブランが 10% 以下に制限されている事実は無い

イルレギのロゼについては次の葡萄規定が設けられている。

b) - Les vins roses sont issus des cepages suivants :
- cepages principaux : cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, tannat N ;
- cepages accessoires : courbu B, gros manseng B, petit courbu B, petit manseng B.

a) - Vins roses :
La proportion de l’ensemble des cepages principaux est superieure ou egale a 90 % de l’encepagement.

イルレギ・ロゼに関しては主要葡萄であるカベルネ・フラン、カベソー、タナーの割合が 90% 以上との規定。従って補助葡萄のクルビュ・ブラン、グロ・マンサン、プティ・クルビュそしてプティ・マンサンの合計は 10% 以下という結論に至る。

アペラシヨン・サン・モンの白ワインの葡萄規定は

b) – Vins blancs :
- cépage principal : gros manseng B ;
- cépages complémentaires : arrufiac B, petit courbu B ;
- cépages accessoires : courbu B, petit manseng B.

b) – Vins blancs :
- La proportion du cépage gros manseng B est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagement ;
- La proportion de l’ensemble des cépages complémentaires est supérieure ou égale à 20 % de l’encépagement.

アペラシヨン・サン・モンの白ワイン、主要葡萄は 50% 以上グロ・マンサン、補完葡萄アリュフィアックとプティ・クルビュを 20% 以上という規定。ならば補助葡萄である当該葡萄とプティ・マンサンの合計は 30% 以下というのは明白である。

サイトの信頼性は必ずチェックしなければならない。
| ワイン雑感 |
| 05:54 PM | comments (0) | trackback (x) |


PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインと葡萄::2016年06月07日
All Rights Reserved./Skin:oct