ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Barbaroux Rs

バルバルーという果皮色ロゼの葡萄、拙ブログではこちらで取り上げました。画像は VIVC のこちらから拝借致しました。

Forvo の発音はこちらを開いてお聞き下さい。「バフバフ」って聞こえるかも知れません。

バルバルーは元来プロヴァンス原産と思われますが現在栽培されているのはコルシカ島が殆どです。フランスで栽培される葡萄のサイトから 2011年現在の栽培面積は僅か 26ha 。

VIVC の現時点でのパスポートデータはこちら、以前の拙ブログでは「シノニムは 46」と書いたのですが現在シノニムは 53 に増えています。

バルバルーを主要品種として使える唯一のアペラシヨンはアジャクシオであります。アペラシヨン・アジャクシオの赤・ロゼワインの葡萄規定は次の通りです。

Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : barbaroux Rs (barbarossa), nielluccio N, sciaccarello N, vermentino B (malvoisie de Corse) ;
- cépages accessoires : aleatico N, carcajolo N, carignan N, cinsaut N, grenache N, morrastel N (minustello).

即ち現地ではバルバロッサと呼ばれるバルバルー、ニエルーチョ、シャカレッロ、そして現地ではマルヴォワジー・ド・コルスと呼ばれるヴェルメンティーノ(白葡萄)が主要品種で補助品種はアレアティコ、カルカジョーロ、カリニャン、サンソー、グルナッシュそして現地ではミニュステッロと呼ばれるモラステルと規定されています。

ところがフランスの葡萄に詳しいサイトにはちょっと理解に苦しむ文言が並んでいます。後半の記述をコピーさせて頂きますと

- Type de vin et arômes/Raisin de table : le Barbaroux fait partie de l'encépagement des appellations Cassis, Ajaccio et Vin(s) de Corse, exceptée l'appellation Sartène.

即ちバルバルーはアペラシヨン・カシ、アジャクシオそしてコルス・サルテーヌ(アペラシヨンではなくデノミナシヨンですけど)を除く(ヴァン・ド・)コルスに使えると示されているのですが、これは間違いであります。

AOC « Vin de Corse » ou « Corse » suivie ou non des dénominations géographiques « Calvi », « Figari », « Porto-Vecchio », « Sartène »
Vins rouges et rosés
- cépages principaux : grenache N, nielluccio N, sciaccarello N ;
- cépages accessoires : aléatico N, barbaroux Rs (barbarossa), carcajolo N, carignan N, cinsaut N, morrastel N (minustello), mourvèdre N, syrah N, vermentino B (malvoisie de Corse).

アペラシヨン・コルスで地域名称を伴うデノミナシヨン、コルス+カルヴィ、コルス+フィガリ、コルス+ポルト・ヴェッキオ、コルス+サルテーヌの赤とロゼの葡萄規定ですが主要品種はグルナッシュ、ニエルーチョ、シャカレッロ。補助品種はアレアティコ、バルバルー(バルバロッサ)、カルカジョーロ、カリニャン、サンソー、モラステル(ミニュステッロ)、ムールヴェドル、シラー、ヴェルメンティーノ(マルヴォワジー・ド・コルス)。

Dénomination géographique « Coteaux du Cap Corse »

Vins rouges et rosés
- cépages principaux : grenache N, nielluccio N, sciaccarello N ;
- cépages accessoires : aléatico N, barbaroux Rs (barbarossa), carcajolo N, carignan N, cinsaut N, mourvèdre N, syrah N, vermentino B (malvoisie de Corse).

コルス+コトー・デュ・カップ・コルスの赤とロゼの葡萄規定ですが、主要品種はグルナッシュ、ニエルーチョ、シャカレッロ。補助品種はアレアティコ、バルバルー(バルバロッサ)、カルカジョーロ、カリニャン、サンソー、ムールヴェドル、シラー、ヴェルメンティーノ(マルヴォワジー・ド・コルス)。

バルバルーは補助品種としてでありますがアペラシヨン・ヴァン・ド・コルスのすべてのデノミナシヨンに於いて使用可能であります。
強いて申し上げるならアペラシヨン・ヴァン・ド・コルスのデノミナシヨン、コトー・デュ・カップ・コルスには他のデノミナシヨンで使えるモラステルが使えないと云うことでしょう。

信頼すべきデータベースでも時折間違った記載があるので注意しなければなりません。

アペラシヨン・カシのブドウ規定はロゼと赤で異なり

Vins rosés
- cépages principaux: cinsaut N, grenache N et mourvèdre N ;
- cépages accessoires: barbaroux Rs, bourboulenc B (dénommé localement « doucillon blanc »), carignan N, clairette B, marsanne B, pascal B, sauvignon B, terret noir N et ugni blanc B.

ロゼは主要品種サンソー、グルナッシュとムールヴェドル。補助品種としてバルバルー、現地ではドゥーシヨン・ブランと呼ばれるブルブーラン、カリニャン、クレレット、マルサンヌ、パスカル、ソーヴィニョン・ブラン、テレ・ノワールそしてユニ・ブラン。

Vins rouges
- cépages principaux: cinsaut N, grenache N et mourvèdre N ;
- cépages accessoires: barbaroux Rs, carignan N et terret noir N.

カシの赤ワインでは主要品種はロゼと同じサンソー、グルナッシュ、ムルヴェドル。補助品種としてバルバルー、カリニャンそしてテレ・ノワールです。

やはり現時点でもロゼ並びに赤ワインの葡萄規定にその名はありますが補助品種という肩身の狭いポジションであります。

ちなみに地名の「Cassis」は通例カシと発音する場合が多く、リキュールに使われる果実の「Cassis」はカシスと発音します。アペラシヨン・カシは地名を意味する訳ですのでカシであります。こちらをご覧下さい。ブッシュ・デュ・ローヌのコミューンの名前ですが地図にも「カシ」とあります。Forvo の地名を意味する Cassis の発音はこちらを開いてお聞き下さい。

尚、アペラシヨン・コート・ド・プロヴァンスの葡萄規定は現在に至っても同じであり、コピーさせて頂くと

AOC ≪ Cotes de Provence ≫
Vins rouges et roses
- cepages principaux : cinsaut N, grenache N, mourvedre N, syrah N, tibouren N ;
- cepages accessoires : cabernet-sauvignon N, carignan N, clairette B, semillon B, ugni blanc B, vermentino B.
Toutefois, les cepages barbaroux Rs et calitor N sont autorises en tant que cepages accessoires pour les parcelles plantees avant le 31 juillet 1994.

従ってバルバルーはアペラシヨン・アジャクシオの主要品種として、またアペラシヨン・(ヴァン・ド・)コルス及びアペラシヨン・カシの補助品種、さらに厳密に申し上げると「アペラシヨン・コート・ド・プロヴァンスの赤・ロゼワインの補助品種として認められる場合がある」とすべきであります。

こちらのサイトの内容は説明不十分と考えます。

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