ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Aubin Blanc B

画像は VIVC のこちらから拝借しました。

フランス政府の登録名称は「Aubin」ですが VIVC による正式名称は「Aubin Blanc」オーバン・ブラン。Aubin の前に「Saint」を付けるとワインのアペラシヨンの一つ「サントーバン」になりますが AOC サントーバンにこの葡萄は使えません。発音は Forvo からこちらを開いてお聞き下さい。前にアクセントを置く「オバン」に聞こえます。真ん中にアクセントを置くと大阪弁の「おばーん」になるのでご注意下さい。

拙ブログではこちらと最近ですがこちらで取り上げました。併せてご覧頂くと幸甚に思います。

AUBIN BLANC オーバン・ブラン、フランス政府は省略せず Aubin Blanc B と表記して頂きたいと思います。

現時点でのこのオーバン・ブランのペディグリーについては拙ブログのこちらで書いたように

Pedigree confirmed by markers GOUAIS BLANC × SAVAGNIN = TRAMINER
Prime name of pedigree parent 1 HEUNISCH WEISS
Prime name of pedigree parent 2 SAVAGNIN = TRAMINER

母親であるホイニッシュ・ヴァイスは確定していますが、父親のサヴァニャン=トラミナーについては現時点では未解明であります。今後明白になるとは思いますが・・・

この葡萄はアペラシヨン・コート・ド・トゥールの白ワインとコート・ド・トゥール特有のヴァン・グリにも補助品種としてその名があります。ですがフランスで栽培される葡萄のサイトでは 1958年では 3ha 、2011年のデータでは僅か 0.9ha しか栽培されていません。原産地はこのコート・ド・トゥールの範囲内であろうと思われます。0.9ha はフランス全土での栽培面積であり、この葡萄がロレーヌ地方コート・ド・トゥールの範囲外で栽培されているとはとても思えません。

シノニムは次の通り8つです。コピーさせて頂くと

ALBIN BLANC
ANEB BEN CADI
AUBAIN
AUBIER
AUBIN
BLANC DE CREUE
BLANC DE MAGNY
GROS VERT DE CRENAY

さてさてこの葡萄が使えるアペラシヨンを探そうと例のサイトを見ると・・・

またもや例の御三家を取り上げています。ロレーヌ地方はフランス北東部であります。IGP アトランティクや IGP ペリゴールなどはフランス南西部であり、そんな遠く離れた地域のワインにロレーヌでしか栽培されていないはずの葡萄が使われることなど考えにくいと思います。

ところで、AOC コート・ド・トゥールの白ワインに使えるはずのこの葡萄ですがネットで見る限りこの葡萄を使ったワインは全く見掛けません。殆どのコート・ド・トゥールの白ワインはもう一つの葡萄オーセロワ100% となっています。例えばこちらをご覧下さい。白ワインの説明にオーセロワ以外の葡萄の名は見当たりません。またこの地では有名なワイン、ドメーヌ・ルリエーヴルの白ワインですがエチケットにまで大きく「Auxerrois」と表示しています。さらにこちらをご覧下さい。キュヴェ・トラディションと樽熟成という2つの白ワインを生産していますがいずれも 100% オーセロワとあります。

妙ですね、こんな小さな範囲のアペラシヨンで1軒の農家も使っていないと云うことは「本当に昔から使われてきたのか?」という疑問が生じます。

そこで1951年に制定された旧法 AO VDQS Côtes de Toul を見たいと思います。1984年版の赤本から葡萄規定を見ると次の通りです。

(Remplacé, arrêté du 1er décembre 1977). --

Encépagement.

Vins rouges : meunier (n) et pinot noir (n) ;
Vins blancs : aligoté (b), aubin (b) et auxerrois (b) ;
Vins gris :
Cépages principaux : gamay (n) et meunier (n) et pinot noir (n) , ensemble dans la proportion minimum de 85% de l'encépagement ;
Cépages secondaires : aligoté (b), aubin (b) et auxerrois (b) , ensemble dans la proportion maximum de 15% de l'encépagement .

即ち1977年12月1日改訂された葡萄規定によると

赤ワイン:ピノ・ムニエとピノ・ノワール
白ワイン:アリゴテ、オーバン・ブラン、オーセロワ
ヴァン・グリ(この地ではグリ・ド・トゥール):主要品種 85% 以上を占めるのはガメイ、ピノ・ムニエとピノ・ノワールの混合
第2品種 15% 以下の比率でアリゴテ、オーバンそしてオーセロワの混合。

おやおや今では使えないアリゴテの存在があった訳です。

コート・ド・トゥールの白ワインに法律上は使えることになっているオーバン・ブランですが恐らく現在は使われていないのが実情と推測します。

ちなみにこんなサイトもあります。こちらでは白ワインは100% オーセロワとしています。

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