ワインと葡萄

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サンジョヴェーゼは交配種だった?
イタリア、特にトスカーナを代表する葡萄と云えばサンジョヴェーゼのはずですが、最近の遺伝子解析の結果在来種・固定種ではなく交配によって生まれた葡萄であるとする説が有力となりました。

昨年12月16日に拙ブログにて書きかけたままになっており、続きを書かせて頂きます。

先ずは第1の説、サンジョヴェーゼの母はフラッパート・ディ・ヴィットーリアであるとする説を検証して参ります。

フラッパート・ディ・ヴィットーリア、この葡萄のパスポートデータはこちら、イタリア原産のヴィティス・ヴィニフェラに属する果皮色黒の葡萄で、イタリア政府も公式にこの葡萄を自国の葡萄品種目録に登録しています。結構栽培されていてイタリアに 2000年現在 785ha 栽培実績のデータがあります。

このフラッパート・ディ・ヴィットーリアを使うワインはシチリア唯一の DOCG ワインであるチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアであります。D.O.C.G. Cerasuolo di Vittoria の葡萄規定の条文は下記をご覧下さい。

Piattaforma ampelografica

I vini a denominazione di origine controllata e garantita «Cerasuolo di Vittoria» e «Cerasuolo di Vittoria Classico» devono essere ottenuti da vigneti che in coltura mono o plurivarietale nell'ambito aziendale hanno la seguente proporzione ampelografica: dal 50% al 70% di Nero d'Avola e dal 30% al 50% di Frappato.

DOCG チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアに使う葡萄はネロ・ダーヴォラ 50 ~ 70 % 、フラッパート(ディ・ヴィットーリア)30 ~ 50 % となっています。

ちなみにネロ・ダーヴォラはシノニムで本来の正式名称は CARABLESE カラブレーゼであります。

次に2番目の説に参ります。即ちサンジョヴェーゼの母葡萄に相当するものとして「ガリオッポ」とする説を検証しようと思いますが、ガリオッポのパスポートデータを見るとこちら、現在のところ、VIVC でこのガリオッポはサンジョヴェーゼを母MANTONICO DI BIANCO マントニコ・ディ・ビアンコを父として生まれた葡萄となってます。マントニコ・ディ・ビアンコはその名の通り果皮色緑色、即ち白ワイン用の葡萄であります。

おやおや、これは明らかに矛盾しますね。サンジョヴェーゼの親としては不適任のはずです。

この葡萄ガリオッポは南部イタリアで 3703ha も栽培されているイタリア政府公認葡萄であります。

日本語のサイトで分かり易いのはこちら

ガリオッポの父とされる葡萄マントニコ・ディ・ビアンコもギリシャ原産ではなくイタリア原産であります。

さて第1説、第2説に共通するサンジョヴェーゼの父親とされるフォーリア・トンダはこちら、これまたイタリア原産の果皮色黒の葡萄ですがこちらはめっきり栽培面積が小さく 1990年のデータで僅か 38ha しかありません。

このフォーリア・トンダ、ネットで検索するとキアンティ・クラッシコにブレンドされていることが出てきます。またトスカーナ州南部のDOC ORCIA (オルチャ)にその使用が認められています。DOC オルチャの葡萄品種についての条文をコピーさせて頂くと

«Orcia» Sangiovese e «Orcia» Sangiovese riserva:
Sangiovese: minimo 90%; possono concorrere alla produzione di detto vino, da sole o congiuntamente, fino ad un massimo del 10%, le uve provenienti dalle varietà Canaiolo nero, Colorino, Ciliegiolo, Foglia tonda, Pugnitello e Malvasia nera;

要するに殆どサンジョヴェーゼですがその他諸々の10%以下で一応認可されている葡萄の中に名前を見付けられるだけと云うことです。

結論を申し上げると(今の段階では)サンジョヴェーゼの母に相当する葡萄はフラッパート・ディ・ヴィットーリア、父親はフォーリア・トンダであるとする第1の説が有力であると考えます。


VIVC がどのような結論を出すのか今後が見逃せません。サンジョヴェーゼの先祖について分かり始めた訳ですが、以前から申し上げているサンジョヴェーゼ・グロッソというシノニムを持つ黒葡萄の一つである Brunello di Montalcino 正式名称ブルネッロ・ディ・モンタルチーノについては依然そのルーツが未解明のままであります。

まあ正式名称サンジョヴェーゼとは異なる葡萄であることは間違いありませんが・・・。

| ワイン雑感 |
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