ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Viognier
Viognier B

本日、フランス農水省公式葡萄目録第1部ワイン用葡萄について最終日を迎えました。現在流通しているワインに使われてそうにもない葡萄のお話しが殆どでしたので、さぞ退屈だったことと思います。ですがリバイバルブームという言葉もございますので、いつどんな葡萄にスポットが当てられる日がやってくるか分からないはず。

さて今日取り上げるのはローヌの白葡萄で飛躍的栽培面積が増えたヴィオニエであります。まずは昨年6月に取り上げた拙ブログをご覧下さい。こちらでございます。

画像は VIVC のサイトからこちらこちらをご覧下さい。前者には多数のミルランダージュが含まれています。VIVC のパスポートデータはこちら、稀少品種だったためシノニムは少なく次の9種のみ。

GALOPINE
PETIT VIOGNIER
PETIT VIONNIER
VIOGNE
VIOGNER
VIOGNIER BIJELI
VIOGNIER BLANC
VIONJER
VIONNIER

他に画像はル・フィガロのサイトからこちら、元祖のサイトからこちら、フランス農水省に近いサイトはこちらです。

さてヴィオニエというと独特の芳香を持つ葡萄で昔はどちらかというと敬遠されてきたはずです。ワイン用葡萄は白品種、黒品種に限らず昔からアロマティックなもの、即ち香りのきつい葡萄は食事中飲むワインには不適切であるとされてきたのです。

それが何より証拠なのはアメリカ産に多いヴィティス・ラブルスカを忌避してきたことに他なりません。ヨーロッパ原産に多いヴィティス・ヴィニフェラはアロマティックな所謂芳香を持つ葡萄が少なかったという意味であります。

ところが日本に於いては誰が言い始めたのかは知りませんが、「ヴィティス・ラブルスカは狐臭がする」という説がワイン業界を席巻した訳です。今でもそう思っている人が多いはずですがとんでもない間違いであります。

ですが世の中が変わりワインを嗜む人が俄然多くなると「お高いワイン」を飲みたがる人が続々と出現しました。

そうなると食事には合わなくても「高ければ良い」というワインを好む人の割合が多くなる訳で、昔から高かったコンドリューやシャトー・グリエに群がりました。ヴィオニエはそういうワインを好む人にピッタリだったのでしょう。1988年からの栽培面積の伸びは異常とも云えるほどの勢いであります。

ヴィティス・ヴィニフェラでも芳香を持つ葡萄があります。例えばフランスでゲヴュルツトラミネールと呼ばれるトラミネール・ロット、またミュスカの系統も殆どすべて強い香りが特徴であり、どちらかというとソーヴィニョン・ブランも芳香の高いワインを生み出します。ゲヴュルツトラミネールやミュスカ系統は今でも敬遠されがちですがソーヴィニョン・ブランは目下大流行であります。

それらに引き替えシャルドネ・ブランは特有の香りは少ないはず。逆に言えばアペラシヨンの特徴がうまく反映される訳です。シャルドネ・ブランの人気が近年根強いのはこのことが理由だと私は思います。

ですがシャルドネ・ブランはフランスでは忌み嫌われたグエの子孫であり、本来不味いワインしかできない(昔の人は好まなかった)葡萄の系統だったはず。美味い不味いは人それぞれ。好みは人によって異なりますし、時代によっても変化するもの。

輪廻転生、いつしか好みは時代と共に変化して、今とは異なる葡萄が全盛期を迎えることになるかも知れません。

私が注目するのはセミヨンとシュナン・ブランであります。本当は美味しいワインが造られているのに評論家が気付かないだけのお話しであります。既に流行っているものを持ち上げる人がやたら目立つだけでお高いワインの中には酷いモノがたくさん出回っています。また価格至上主義のためまんまとフェイクを掴まされる人がどれだけ多くおられることか!

ワインは農産物でありワイン用葡萄はそんなに高値で流通するものではありません。ヨーロッパのワインは蔵出し価格は高く見積もって平均5€そこそこ。プレミアムもので倍の10€程度であります。それらの中で珠玉の銘酒を探し当てる事こそが本来のワインの楽しみであります。

| ワイン雑感 |
| 03:24 PM | comments (0) | trackback (x) |


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