ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Sémébat
Semebat N

これもフランス語表記がなっていません、正しくは「Sémébat」セメバと発音するはずの黒葡萄でフランス農学研究所ボルドー支部にて1956年開発されたもの。「攻めバット」と違います。
元祖のサイトによるとバロックコットの交配により生まれて1974年にフランス農水省公式葡萄目録に登録されたと云うことです。ですがこちらも表記は「le Semebat」、
これではセメバと読めずに船場」になるはずです。←クリックすると Forvo の発音が聞けます。


フランス政府系のサイト
も同じ表記ですが、まともなのはこちら。また IGP アジュネをご覧頂ければ「Sémébat」とアクサン・テギュが付いているのをご確認頂けます。

葡萄房の画像はこちら、かなり大型の房です。こんな画像もございます。

VIVC のパスポートデータはこちら。2011年の栽培面積はフランスで僅か 1ha 。

実際は先程ご紹介した IGP Agenais でしか栽培されていないはずですがフランス各地の IGP 、例えば IGP Atlantique の葡萄規定にその名があります。一部だけコピーさせて頂くと

Abouriou N, Aléatico N, ・・・・・ Segalin N, Semebat N, ・・・・

アレアティコ Aléatico のスペルにはちゃんとアクサン・テギュが付いていますがセメバには何も付いていません。

ところが IGP Agenais には次のように記載されています。赤・ロゼの葡萄規定は

5 – Encépagement
Les vins bénéficiant de l’indication géographique protégée « Agenais » sont produits à partir de l’ensemble des cépages classés en tant que variétés de vigne de raisins de cuve conformément à la réglementation communautaire et nationale en vigueur.
Les principaux cépages entrant dans l’élaboration des vins de l'indication géographique protégée « Agenais » sont :
Pour la production de vins rouges et rosés : abouriou N, alicante Henri Bouschet N, arinarnoa N, bouchalès N, cabernet franc N, cabernet sauvignon N, cot N, egiodola N, fer N, gamay N, jurançon noir N, merlot N, prunelard N, ségalin N, sémébat N, syrah N et tannat N ;

こちらではセメバと読めるようアクサン・テギュが付けられています。また単なる葡萄名称の羅列ではなく実際に栽培されていそうな葡萄がオン・リストされています。

他の地域もこの法令を見習い、実際に栽培されているかを確認した上で葡萄規定を策定するようすべきであります。

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Sélect
Select B

本来は Sélect B のはずですが、フランス農水省公式葡萄目録の表記はあまり信用しない方が良いかも知れません。

全く関係ありませんが、これと似た言葉でイベリコ豚の部位を示す「Secreto de Papada」略して「Secreto」を「セレクト」と間違えたままの通販サイト、グルメ・ブログを見掛けますが如何なものでしょうか。ちなみにイベリコ豚の部位はこちらをご覧下さい。

さて sélect の発音は Forvo からこちらを開いてお聞き下さい。普通に「セレクト」と発音して通用するはずです。

画像は元祖のサイトからこちら、フランス政府系のサイトからこちらをご覧下さい。両者ともシャラント・マリティーム県の Jean-Louis Vidal 氏によってユニ・ブランジュランソン・ブランの交配で生まれたとしています。フランス農学研究所関連サイトをご覧下さい。こちらでは

Nom de la mère : Ugni blanc
Nom du père : Jurançon

母がユニ・ブランで父はジュランソン・ブランではなくジュランソンになっています。「ブラン」を省略したのでしょうか

ところが VIVC によるとちょっと異なる見解であります。セレクトのパスポートデータはこちら一見だけでは上記の3者と同じに見えますが、こちらの意味する母「UGNI BLANC」は正式名称トレッビアーノ・トスカノではなく「UGNI BLANC 70889」なのです。

ではトレッビアーノ・トスカノとジュランソン・ブランの間に生まれた葡萄はと云うとこちらVIDAL 19 が存在します。ですが父母が入れ替わるというか、母がジュランソン・ブランで父がトレッビアーノ・トスカノ、開発者は同じく Jean-Louis Vidal 氏でワイン用葡萄とのことですが果皮色は示されていません。

ちなみに現存する「VIDAL」と名の付く葡萄は 48 種あります。

さてさてセレクトが使えるアペラシヨンと云えば AOC コニャックであります。拙ブログのこちらで書きましたが、本来の葡萄規定には載っておらず、経過措置として許可されているのです。西暦 2020年ですから今年の収穫を含めあと8年は収穫可能という訳です。恐らくそれ以降の 2021年には姿を消す可能性が高いと考えます。

で、セレクトの原産地とされるコニャックを含む IGP CHARENTAIS の葡萄規定に「select B」はありません。ところがこの葡萄の原産地からかなり東の IGP COMTÉS RHODANIENS にその名があるのは如何なものでしょうか。


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