ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Duras
Duras N

Duras の発音ですが末尾の「s」は発音する場合もあれば無いこともあるのでどちらでも良いのでしょうね。Forvo の発音は3つありますが、デュラもしくはデュラス、人それぞれなのかも知れません。

紛らわしいのは同じ名前の付くアペラシヨン、コート・ド・デュラ(ス)。ボルドーのサント・フォワ・ボルドーのすぐ南に隣接する地域で造られる南西地方のワインに付与されたアペラシヨンですが、葡萄品種は件の品種ではありません。同じ南西地方とは云え、葡萄品種デュラ(ス)が栽培されているのはもっと奥地のガイヤック周辺であります。

フランス農学研究所関連サイトのこちらではミディ・ピレネー圏はタルヌ県原産の黒品種としています。タルヌ県の県庁所在地はアルビ、元東大阪に在ったパティスリー・Ryoco の主人はこのアルビのショコラティエ Michel Belin で修行してましたね。そのショコラティエが今は何と日本に支店らしきお店をオープンしているのですから世の中の変化は凄まじいものです。

さて画像は元祖のサイトからこちら、そしてVIVC のサイトにも載っています。VIVC によるとシノニムは7種、CABERNET DURAS 、DURADE 、DURAS FEMELLE 、DURAS MALE、DURAS ROUGE 、DURASCA 、DURAZE ですが最後のは元祖では durazé dans l'Ariège 、即ちアリエージュ県ではdurazé としています。また元祖にあるシノニムの durac はVIVC では取り上げていません。

ところで「新」のサイト、フランスでの栽培面積の推移にご注目下さい。1958年から1968年までは2桁だったのが1979年には一気に 476ha と急増、さらに2000年には949ha 、2008年には1,063ha と大幅に増えています。

急激に増産されたのには理由があります。アペラシヨン・ガイヤックに赤ワインが加わったのが1970年。ですからこの年からアペラシヨンを取得したガイヤックの赤に注目され始めた訳です。アペラシヨン・ガイヤックの赤ワインの主要品種としてご指名を受けた品種の一つがこの Duras であった訳です。

現在の法令アペラシヨン・ガイヤック、プリムール以外の赤・ロゼワインについての葡萄品種規定です。

b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : duras N, fer N, syrah N ;
- cépages accessoires : cabernet franc N, cabernet-sauvignon N, gamay N, merlot N, prunelard N.

即ち主要品種はデュラ(ス)、フェール、シラー。補助品種としてカベルネ・フラン、カベソー、ガメイ・ノワール、メルロー・ノワールそしてプリュヌラール。栽培面積などについての規定がありますけど主要品種の割合は 60% 以上となっていますのでアペラシヨンに指定された地域では盛んに植えられたはずです。新しいアペラシヨンのそれも主要品種として認められたので栽培面積が飛躍的に増えた訳です。

ガイヤックの赤ワイン、アペラシヨンを取得したことで薦めやすかったのは航空会社ではなかったでしょうか。1980年代ヨーロッパ線の機内サービスにガイヤックの赤ワイン、よく見掛けましたから。

ガイヤック以外のアペラシヨンでこの品種が使えるのは Côtes de Millau コート・ド・ミヨーと Estaing エスタンですがいずれも補助品種としての規定です。IGP では Côtes du Tarn 、Comté Tolosan の葡萄品種規定に載っています。

| ワイン雑感 |
| 02:36 PM | comments (0) | trackback (x) |


PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインと葡萄::2012年12月16日
All Rights Reserved./Skin:oct