ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Colombard
Colombard B

コロンバードではなくコロンバールと読みますが Forvo のフランス人による発音はこちら、第1音節にアクセントがありますね。よく知られたオー・ド・ヴィーの原料葡萄の一つでもちろん白品種。ワインにも結構使われる品種でメジャーな葡萄品種と云えます。

先ずは画像をご覧下さい。元祖フランス葡萄品種のサイトからこちらを、また新フランス葡萄品種のサイトからこちらをどうぞ。

「元祖」では
D'après des analyses génétiques publiées, il provient d'un croisement entre le gouais et le chenin.

「新」では
Ce cépage provient d’après les analyses génétiques publiées, d’un croisement entre le Gouais B et le Chenin B.

との記述がありますが、Gouais グエは HEUNISCH WEISS のシノニムであり、正式名称で申し上げると HEUNISCH WEISS と CHENIN BLANC の交配種(恐らく自然交配)であるとの見解で一致しています。栽培面積は1958年 13,105ha と広く植えられていたのはブランデーの生産が多かったからでしょうね。その後急速に減少し1988年には 4,911ha となってしまいましたが順調に持ち直して2011年現在 8,654ha と回復しています。

さてそのオリジンがポワトゥ・シャラント圏シャラント県原産の葡萄であるとするのがフランス農学研究所のサイトであります。詳細を見ると断定はしていないので恐らく近いうちに改変されるのではないかと思われますが、そのオリジンについては次の記述があります。

Origine :
Le Colombard semble originaire des Charentes.

即ち「コロンバールはシャラント地方原産であろう」との曖昧な表現であります。ペディグリーについては一切触れていません

さて VIVC のサイトはいつの間にか更新され、以前はオーストリア原産とされていた HEUNISCH WEISS ですが現在原産国はブランクになってしまいました。原産国が替わるとひょっとしたら正式名称も変わるかも知れません。今後の成り行きを見守りたいと思います。コロンバールについてはこちらをご覧下さい。シノニムは 27例報告されています。

BARDERO
BLANC EMERY
BLANQUETTE
BON BLANC
CHABRIER VERT
CHARBRIER VERT
COLOMBAR
COLOMBARD BIJELI
COLOMBEAU
COLOMBIE
COLOMBIER
COULOMBIER
CUBZADAIS
DONNE ROUSSE
DONNE VERTE
FRENCH COLOMBARD
GROS BLANC DOUX
GROS BLANC ROUX
GUENILLE
KOLOMBAR
MARTIN COT
PIED TENDRE
QUENE TENDRE
QUENE VERT
QUEUE TENDRE
QUEUE VERTE
WEST'S WHITE PROLIFIC

INRA ではシャラント原産とされるコロンバール、ではそのシャラント地方原産のコニャックについてその葡萄品種規定をご覧下さい。

1° Encépagement :
Les vins destinés à l'élaboration des eaux-de-vie sont issus des cépages suivants :
colombard B, folle blanche B, montils B, sémillon B, ugni blanc B ;
― folignan B, représentant au maximum 10 % de l'encépagement.

昔とはかなり違うはずです。ちなみにフランスを代表するもう一つのオー・ド・ヴィーの葡萄品種規定については拙ブログのこちらをご覧下さい。

ワインではボルドーのジロンド河右岸、とりわけアペラシヨン・コート・ドブライの主要品種であることは拙ブログで何度も紹介しています。ですがアペラシヨン・ブライの白ワインが消えた現在、AOC Côtes de Blaye の葡萄品種規定は次のように変わりました。

1° - Encépagement :
Les vins sont issus des cépages suivants :
-cépages principaux : colombard B et ugni blanc B ;
- cépages accessoires : muscadelle B, sauvignon B, sauvignon gris G et sémillon B.
2° - Règles de proportion à l’exploitation :
La proportion des cépages colombard B et ugni blanc B est comprise entre 60 % et 90 % de l’encépagement.

改変以前はアペラシヨン・ブライの白ワインユニ・ブラン正式名称トレッビアーノ・トスカノ主体で、アペラシヨン・コート・ドブライはコロンバールが主体だったのですが、今回の法律改変でこの2つがミックスした、つまり特徴の薄れたワインとなってしまいました。

さて現在でもコロンバールの主な用途はオー・ド・ヴィー用に変わりありませんがガスコーニュでは美味しいコロンバールだけのモノ・セパージュ白ワインが誕生しています。

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Colobel N (*)
Colobel N (*)

久し振りに出ました、注釈付きの葡萄は種間交雑のはずです。先ずは読み方、素直にそのまま読むとコロベルという黒葡萄。Forvo によるフランス人の発音も日本語と変わらないコロベルです。転びそうな名前^^

大体このタイプの葡萄というのは種間交雑の繰り返しというか、親を辿っていってもなかなか辿り着かないことが多いはず。

取り敢えずは VIVC のサイトからこちらをご覧下さい。その母方はこちらで父方はこちら
では母方である SEIBEL 4461 の母方は CLAIRETTE DOREE GANZIN で、その父方は VIVARAIS 。延々と続いていくと思うのでこの辺で止めます。

何故止めるのかと申しますとコロベルの別名 SEIBEL 8357 からご推測頂けると思いますが、「SEIBEL + 数字」 という葡萄は何と1897種も存在します。SEIBEL 1 から順に1897 まで並んでいるのではありません。SEIBEL 3 、SEIBEL 5 はなく番号は飛び飛びでして SEIBEL 9932 の次は SEIBEL 10020 といった具合で、最後は SEIBEL 19975 で締め括ってあり、数字を伴わないものとして例外的に SEIBEL A というのも存在します。

全部見たい人には VIVC のサイトから左のメニュー「Database search」をクリックしてメニューの下に現れる「Search」の上から2番目「Cultivar name」をクリックして「Note: use % as wildcard at the beginning of a keyword for searching for the word with multiple beginnings.」の下のボックスに「Seibel」と入力してその下の「Search」をクリックして下さい。

ドイツ語のウィキペディアに交雑に関わった人物アルベール・セイベル氏のことが載っています。こちらをご覧下さい。要するにフィロキセラの到来によりその害を防ぐため種間交雑を繰り返し、フィロキセラに強い品種をいくつも生み出したとのこと。ですから系図を書いても複雑すぎて訳分からなくなるはずです。ですけどデータとして残っているだけでも 2,000 種ほど造り出した訳ですからマニアというよりオタクみたい。

フランス農学研究所のサイトは別の解釈を示しています。こちらをご覧下さい。ちょっと分かり難いですね。

ペディグリーについて深く追求しないこととして画像をご覧下さい。

元祖フランス葡萄品種のサイトはこちら、新フランス葡萄品種のサイトはこちら。後者の栽培面積推移を見ると 1958年には 1,269ha あった畑が激減してしまい、2011年では何と 9ha しかありません。また両方のサイト共ペディグリーについては VIVC と同じ見解であります。

発祥の地とされるアルデッシュで検索してもこの品種を使ったワインは見掛けませんし、IGP のリストを調べても該当しません。ですからフランスではヴァン・ド・ターブルにしか使われていないのかも知れません。ですがアメリカ、インドそしてブラジルにも広まっているので結構美味しいワインが造られるのかも・・・。


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