ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Abondant
Abondant 普通フランス語ではアボンダン、Forvo の発音はこちら

フランス原産のワイン用白葡萄で画像はこちらをご覧下さい。ちなみに元祖フランス葡萄のサイトには載っていません。2018年7月現在は載ってます。こちらをご覧下さい。

さて私が2番目に取り上げた葡萄ですが、これが非常に厄介な葡萄でありました。葡萄の遺伝子の解析は主にアメリカのカリフォルニア大学デイヴィス校とフランスのモンペリエの研究施設の2箇所で進められているはずですが他にも研究しているところがあるのでしょうか。

まずはアメリカのデータベース VIVC のサイトをご覧下さい。整理番号は 24 となっています。こちらによるとこの葡萄の「親」とされるのは下記の通りです。

(母) KOEVIDINKA × (父)MADELEINE ROYALE

ハンガリー原産の果皮がロゼ色の葡萄 KOEVIDINKA とフランス原産白葡萄のマドレーヌ・ロワイヤルの交配種としています。

先程画像を参照頂いたサイトもその起源として次のような記述があります。

Cette variété cultivée dans l’Est de la France a été obtenue par M. Vanel. D’après les analyses génétiques réalisées à Montpellier, elle est issue d’un croisement entre la Madeleine royale B et le Kövidinka Rs.

VIVC では KOEVIDINKA を正式名称として Kövidinka はそのシノニムの一つとしていますがアクセント記号などが省略されているので分かり難い訳です。

で、フランスで栽培される葡萄サイトでは「ヴァーネル氏によってフランス東部に持ち込まれ栽培された葡萄。モンペリエでの遺伝子的解析を行った結果上記と同じ結論を得た」としています。

ところがフランス国立農学研究所関連のサイトだと思うのですが、こちらをご覧下さい。交配に成功した人物名 Wanner Alexandre を挙げ、母を Steinchiller 、父を Sylvaner と特定しています。また原産地はロレーヌ地方のモーゼル地区としています。

後者の説を支持するのはこちら

一見だけでは、同じ名前 Abondant ながら全く別の葡萄を意味している可能性があるのではと疑いたくなります。ですがハンガリー原産とされる KOEVIDINKA のシノニムをご覧下さい。

SCHILLER
SHTEIN SHILLER
STEINSCHILLER
STEINSCHILLER ROTER
STEINSCHILLER ROTHER
STEINSCHILLER ROZ

と、後者の説の母方とよく似た名称がありますね。どうやら片方の「親」とされる葡萄は同じかも知れません。

葡萄のルーツについてはまだまだ未解明というか、説が2つあるいは3つ存在しても不思議ではないのが現状であります。さて例の女史はどんな結論を出すのでしょうか?


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