ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

AOC Rosé de Loire とAOC Crémant de Loire
タイトルと重なりますが AOC Rosé de Loire とAOC Crémant de Loire 、前者のラベルのワインを日本ではあまり見掛けませんがクレマン・ド・ロワールはかなり流通量があるはずです。ロワールのヴァン・ムスーは、つい最近まで AOC Touraine Mousseux の存在がありましたが、現在では泡物アペラシヨンとしてクレマン・ド・ロワールが唯一のアペラシヨンであります。ロワール川流域でアペラシヨンとかデノミナシヨンのカテゴリー外の生産物 Produit として泡の存在が認められるのはAOCアンジュー、AOCソミュール、AOCモンルイ・シュル・ロワール、AOCヴーヴレの4つが該当します。

さてクレマン・ド・ロワールの範囲についてネットで調べると面白い記述を見付けました。こちらをご覧下さい。某国ソムリエ協会の教本について疑問を呈しておられます。

ここで某国ソムリエ協会の認識の甘さが露呈しているのは次の一文であります。

『日本ソムリエ協会教本』2012年版 p.162 のロゼ・ド・ロワールとクレマン・ド・ロワールの備考に 「アンジュー、ソーミュール、トゥーレーヌ地区で造られる」 と書かれています・・・

何が大きな認識の間違いかと云うとソミュールの領域は全てアンジューに含まれるからです。アンジューとトゥーレーヌは全く別の領域でありますがソミュールは赤、白そして泡とそれぞれ範囲は異なりますがAOCアンジューの範囲内に乗っかるアペラシヨンであります。然るに某国ソムリエ協会はアンジューとソミュールが別の領域であると認識しているから上記の文章が成り立つはずであります。

次に某国ソムリエ協会の認識不足が露見する箇所は、ロゼ・ド・ロワールとクレマン・ド・ロワールの範囲を同じと考えていることです。

これは大きな間違いでロゼ・ド・ロワールとクレマン・ド・ロワールの範囲は同一ではありません。

問題提起されている筆者はそれらの範囲について次のように述べられています。コピーさせて頂くと

AOC ロゼ・ド・ロワールの生産区域は、AOC アンジューと AOC トゥーレーヌの生産区域を併せたものです。

AOC クレマン・ド・ロワールの生産区域は、AOC ロゼ・ド・ロワールと AOC シュヴェルニーの生産区域を併せたものです。


ところが実際のロゼ・ド・ロワールの領域とクレマン・ド・ロワールの領域は細かく申し上げると上記の説明とは食い違う点があります。

まずはアンジューの領域ですが INAOのサイトからこちらを開いて「Aire géographique : 」の左側の+をクリックするとコミューンの名前がズラリと表示されます。下の地図をご覧頂いても大凡の範囲はご理解頂けるはず。

次にトゥーレーヌの範囲はこちらから同じようにコミューンや地図をお確かめ下さい。

ではロゼ・ド・ロワールの領域でありクレマン・ド・ロワールの領域に含まれないコミューンを申し上げます。

37003 Amboise
49133 Faveraye-MâChelles
49283 Saint-Georges-sur-Loire


上記3コミューンはロゼ・ド・ロワールは名乗れますがクレマン・ド・ロワールは名乗れません。
アンボワーズはAOC トゥーレーヌとAOC ロゼ・ド・ロワールを、ファヴレイ・マシェルはAOC アンジュー、AOC アンジュー・ヴィラージュ、AOC カベルネ・ダンジュー、AOC コトー・デュ・レイヨンそしてAOC ロゼ・ド・ロワールのほかAOC ロゼ・ダンジューも名乗れます。サン・ジョルジュ・シュル・ロワールは AOC Anjou、AOC Anjou Villages 、AOC Anjou-Coteaux de la Loire 、AOC Cabernet d'Anjou 、AOC Rosé de Loire 、AOC Rosé d'Anjou を名乗れます。

またクレマン・ド・ロワールの領域でありロゼ・ド・ロワールの領域でないコミューンは合計32存在します。

37176 Noyant-de-Touraine このコミューンはワイン関連ではクレマン・ド・ロワールだけが適応するコミューンであり、AOC アンジューでもなければAOC トゥーレーヌも名乗れません。もちろんAOC ロゼ・ド・ロワールも名乗れません。
41029 Candé-sur-Beuvron AOC Cheverny
41031 Cellettes AOC Cheverny AOC Cour-Cheverny
41050 Cheverny 同上
41061 Cormeray 同上
41067 Cour-Cheverny  同上
41082 Feings AOC Cheverny
41092 Fougères-sur-Bièvre 同上
41094 Fresnes 同上
41104 Huisseau-sur-Cosson AOC Cheverny AOC Cour-Cheverny
41129 Maslives AOC Cheverny
41147 Montis 同上
41148 Montlivault AOC Cheverny AOC Cour-Cheverny
41150 Mont-près-Chambord 同上
41155 Muides-sur-Loire  AOC Cheverny
41170 Ouchamps 同上
41204 Saint-Claude-de-Diray AOC Cheverny AOC Cour-Cheverny
41207 Saint-Dyé-sur-Loire AOC Cheverny
41220 Saint-Laurent-Nouan 同上
41233 Sambin 同上
41246 Seur 同上
41262 Tour-en-Sologne AOC Cheverny AOC Cour-Cheverny
41295 Vineuil 同上
49109 Coron AOC Anjou
49110 Corzé AOC Anjou, AOC Cabernet d'Anjou, AOC Rosé d'Anjou
49224 Neuillé  AOC Anjou
49240 Plaine 同上
49267 Saint-Barthélemy-d'Anjou 同上
49325 Salle-de-Vihiers  同上
49336 Somloire 同上
79265 Saint-Léger-de-Montbrun  同上

ということで上記の 41029 ~ 41295 のコミューンはAOC シュヴルニーの範囲と重なりますが 49109 以下のコミューンはいずれも AOC アンジューの範囲であります。

また 41145 Monthou-sur-Bièvre はAOC シュヴルニーの範囲でありますがAOC クレマン・ド・ロワールの範囲にも入っていてまたAOC ロゼ・ド・ロワールの範囲でもあります。従って問題提起者の説明も実際の範囲とは申せません。

一言で説明できないのがアペラシヨンの領域であります。

| ワイン雑感 |
| 06:56 PM | comments (0) | trackback (x) |


PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインと葡萄::2012年09月08日
All Rights Reserved./Skin:oct