ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

アペラシヨン・パレット その6
次に 10. muscat de Hambourg N ミュスカ・ド・ハンブルグはこちらとかこちらをご覧頂くと le Muscat d’Alexandrie B と le Frankenthal N の間に生まれた葡萄となってます。
また VIVC では SCHIAVA GROSSA と MUSCAT OF ALEXANDRIA との間に生まれた葡萄となっていて矛盾するみたいに思われますが、スキアーヴァ・グロッサがフランケンタールの正式名称でマスカット・オブ・アレキサンドリアがミュスカ・ダレクサンドリーの本来の名称であります。

ミュスカ・ド・ハンブルグの正式名称はマスカット・ハンバーグ MUSCAT HAMBURG、英語読みが正式名称なのです。交配か交雑か知りませんが成功したのは1850年、英国でのお話。従って原産国はイングランドです。

シノニムは何と94例もありその内「SNOW'S」はこの葡萄を生み出した人物の名前であります。ですが日本の「雪印」とは無関係のはず。

これはどちらかと云うと殆どが食用葡萄。ワイン用に植えられているのはこのパレットだけでしょう。食用としてはアペラシヨンを取得している Muscat du Ventoux が有名であり、葡萄はもちろんこのミュスカ・ド・ハンブルグであります。

11. petit brun N は正式名称 BRUN PETIT ブリュン・プティ、原産地イタリアの稀少葡萄でフランスでは恐らくパレットのシャトー・クレマードだけで栽培されているものと思われます。画像はありませんが VIVC のサイトはこちらをご覧下さい。

13. téoulier テウリエと読むのでしょうが現地で通用するシノニムはパレットの生産地から北東に約 70km 程離れた Manosque マノスク原産がそのまま葡萄の名称となっている MANOSQUEN マノスカン。ところがこちらをご覧頂くとお分かりの通り 2011年では僅か 0.1ha しか栽培されていない様子です。元祖のサイトを見るとパレット以外にアペラシヨン・ピエールヴェールでも補助品種として法令にその名前はあるものの、栽培面積から推測するとパレットのシャトー・クレマード以外では栽培されていないと考えます。

14. terret gris G テレ・グリはこちらに画像がありますが、テレ・ノワールの突然変異種とされ、現在の栽培面積は白葡萄のテレ・ブランと合わせて 69ha とごく少ない状況です。このテレ・グリという葡萄もフランスのアペラシヨンではパレットだけでしか使われていません。

15. tibouren N. 最後の葡萄はティブラン、ティブレンかも知れません。これはアペラシヨン・コート・ド・プロヴァンス、アペラシヨン・コトー・ヴァロワにも使われる葡萄でご当地ではメジャーな葡萄です。元祖のサイトはこちら、最新のサイトではこちら、2011年ではフランス国内で 433ha も栽培されています。

ということで赤・ロゼに使われる葡萄は15種、先日の白ワイン用の葡萄が14種ですがアレニャンとアラニャンは同一種、テレ・グリは赤・ロゼワインと重複するので省くと、現時点でアペラシヨン・パレットに使われる葡萄は合計27種になります。

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アペラシヨン・パレット その5
次にアペラシヨン・パレットの赤ワインとロゼの葡萄品種規定を見ます。コピーさせて頂くと次の通りです。便宜上品種の手前に番号を付け加えました。

b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : 1. cinsaut N, 2. grenache N, 3. mourvèdre N ;
- cépages accessoires : 4. brun fourca N, 5. cabernet-sauvignon N, 6. carignan N, 7. castet N, 8. durif N, 9. muscat à petits grains Rg, 10. muscat de Hambourg N, 11. petit brun N, 12. syrah N, 13. téoulier N, 14. terret gris G, 15. tibouren N.

栽培面積の割合とかいろいろ制約がありますが、まずはその葡萄品種名で余り知られていないものからチェックしたいと思います。

主要品種である 1. サンソー、2. グルナッシュはガルナッチャ・ティンタ が正式名称、3. ムールヴェドルは同じく モナストレルです。

補助品種がちょっと厄介で、カタカナ表記すると 4. ブリュン・フルカ、5. カベソー、6. カリニャン、7. キャステ、8. デュリフ(ドリフと似てますなあ)、9. ミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュ、10. ミュスカ・ド・ハンブルグ、11. プティ・ブリュン、12. シラー、13. テウリエ、14. テレ・グリ、15. ティブランでしょうか。以前から説明した品種を省き順番に見ていきましょう。

4. brun fourca N は元祖フランス葡萄品種のサイトには載っておらず最新のフランス葡萄品種サイトにはあります。こちらをご覧下さい。プロヴァンス原産の黒品種でどういう訳かフランスでの栽培面積の記載はありません。こちらにはその栽培面積が 20ha となっていますが少し古いデータの可能性もあります。この品種を使うのはパレットに限られるのかも知れません。

8. durif N はこちらをご覧下さい。デュリフはシラーペルールサンの自然交配によって生まれた品種であります。元祖のサイトでは le Peloursin としていますが、こちらでは Péloursin とアクサン・テギュがあるので恐らくペルールサンと発音する方が無難と考えます。デュリフとシラーについては拙ブログのこちらで説明しています。

尚、フランス国内ではデュリフそしてその父方に相当するペルールサンは絶滅の危機に瀕している状態みたいです。(諸外国ではデュリフはプティ・シラーとして健在ですけど)

9. muscat à petits grains Rg ですが末尾の Rg がポイントで 「muscat à petits grains」 という名前の葡萄品種は4種類存在します。

MUSCAT A PETITS GRAINS ROUGES 8248
MUSCAT A PETITS GRAINS ROSES 8186
MUSCAT A PETITS GRAINS NOIRS 8238
MUSCAT A PETITS GRAINS BLANCS 8193

これらは葡萄品種番号が違うことからお分かりのようにすべて別品種です。相当するのは果皮が赤いミュスカの小粒、画像はこちらで、この品種は 8193 MUSCAT A PETITS GRAINS BLANCS の突然変異種としています。2011年のフランスでの栽培面積は 301ha とそこそこ植えられていることが分かります。

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