ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Bourgogne Côte d'Or ブルゴーニュ・コート・ドール誕生

私が兼ねてから申し上げていた「ブルゴーニュ・コート・ドール」がアペラシヨン・ブルゴーニュの新たなデノミナシヨンとして先日決定、政令公布されました。

初めて提案したと記憶にあるのはこちら、シャブリ周辺だけにやたら新しいデノミナシヨンが制定されるのはおかしいと当時から不審に思っておりました。2007年12月の事ですので10年前から申し上げてきたわけですがやっと日の目を見たというか、遅すぎたブルゴーニュ・コート・ドールの誕生であります。

政令の詳細はこちらからファイルを開いてください。

Modifié et/ou complété par : の下の Cahier des charges de l'appellation d'origine contrôlée Bourgogne - B.O. n°46 du 16 novembre 2017 をクリックして「ファイルを開く」をクリックすると最新のアペラシヨン・ブルゴーニュの法令が開きます。

2017年10月30日決定、11月7日政令公布とあります。



Denomination geographique complementaire ≪Cote d’Or ≫ Vins tranquilles blancs ou rouges.

ブルゴーニュ・コート・ドールはロゼを除く赤と白のスティルワインで泡は含まれません。

≪ Cote d’Or ≫
- Dans le departement de la Cote-d’Or :
Communes entieres : Aloxe-Corton, Bligny-les-Beaune, Brochon, Chassagne-Montrachet, Chenove, Chorey-les-Beaune, Comblanchien, Corgoloin, Corpeau, Couchey, Fixin, Gevrey-Chambertin, Gilly-les-Citeaux, Ladoix-Serrigny, Marsannay-la-Cote, Morey-Saint-Denis, Puligny-Montrachet, Santenay, Vougeot.
Communes prises en partie : Auxey-Duresses, Beaune, Chambolle-Musigny, Dijon, Flagey- Echezeaux, Magny-les-Villers, Meursault, Monthelie, Nuits-Saint-Georges, Pernand-Vergelesses, Pommard, Premeaux-Prissey, Saint-Aubin, Saint-Romain, Savigny-les-Beaune, Volnay, Vosne-Romanee.
- Dans le departement de Saone-et-Loire :
Communes prises en partie : Cheilly-les- Maranges, Dezize-les-Maranges, Remigny, Sampigny-les-Maranges.
L’Institut national de l’origine et de la qualite depose, aupres des mairies des communes prises en partie, les documents graphiques etablissant la limite de l’aire geographique approuvee lors de la seance du comite national competent du 12 fevrier 2015.

ブルゴーニュ・コート・ドールの範囲はアロース・コルトン以下サンピニー・レ・マランジュに至る各コミューンの範囲内であり、INAO が2015年2月12日制定の各コミューンのアペラシヨン・ブルゴーニュの範囲に限られるということでしょう。

葡萄についての規定はコート・ドール県なので

1°- Encepagement
a) - Les vins blancs sont issus des cepages suivants :
- cepages principaux : chardonnay B, pinot blanc B ;
- cepage accessoire : pinot gris G.
b) - Les vins rouges sont issus des cepages suivants :
- cepage principal : pinot noir N ;
- cepages accessoires : chardonnay B, pinot blanc B, pinot gris G

白ワインの主要葡萄はシャルドネもしくはピノ・ブラン、補助葡萄としてピノ・グリは30%以下。赤ワインはピノ・ノワールだけで白系葡萄は混植の場合のみ許可され15%以下という栽培規定があります。

2018年ヴィンテージから登場するであろうブルゴーニュ・コート・ドール、残念なことに今までより価格高騰は必至かもしれません。
| ワイン日記::フランスワイン |
| 09:48 AM | comments (0) | trackback (x) |

Bourgogne Hautes Côtes de Nuits Pinot Gris Dit Beurot "Les Larets" 2014 Domaine Yves Chaley その2
その理由についてですが、フランスワイン法の盲点を突いた生産者の企みがあるのです。

まずワインの色の規定をご覧下さい。

法令の第1章の第3条 III. - Couleur et types de produit からブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの色とタイプは次の通りです。

Denomination geographique complementaire ≪Hautes Cotes de Nuits ≫
Vins tranquilles blancs, rouges ou roses.

ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイは赤・白そしてロゼワインのスティル・ワインがあり、発泡性のワインは存在しないということ。

それぞれの葡萄規定が存在しますが白ワインの葡萄規定は前回示しましたので赤とロゼの葡萄規定をコピーさせて頂くと

第5条 V. - Encepagement から

c) - Les vins rouges sont issus des cepages suivants :
- cepage principal : pinot noir N ;
- cepages accessoires : chardonnay B, pinot blanc B, pinot gris G et, le cepage cesar N, pour le seul departement de l'Yonne.
le cepage gamay N, pour les seuls vins issus des aires parcellaires delimitees des appellations d'origine controlees ≪ Brouilly ≫, ≪ Chenas ≫, ≪ Chiroubles ≫, ≪ Cotes de Brouilly ≫, ≪ Fleurie ≫, ≪ Julienas ≫, ≪ Morgon ≫, ≪ Moulin-a-Vent ≫, ≪ Regnie ≫, ≪ Saint-Amour ≫.
d) - Les vins roses sont issus des cepages suivants :
- cepages principaux : pinot noir N, pinot gris G ;
- cepages accessoires : pinot blanc B, chardonnay B et pour le seul departement de l’Yonne, le cepage cesar N.

次に栽培割合規定は

b) - Vins rouges :
- La proportion du cepage cesar N est inferieure ou egale a 10 % de l’encepagement ;
- La proportion du cepage gamay N est inferieure ou egale a 30 % de l’encepagement ;
- Les autres cepages accessoires sont autorises uniquement en melange de plants dans les vignes ; leur proportion totale est limitee a 15 % au sein de chaque parcelle.
c) - Vins roses :
- La proportion du cepage cesar N est inferieure ou egale a 10 % de l’encepagement ;
- Les autres cepages accessoires sont autorises uniquement en melange de plants dans les vignes ; leur
proportion totale est limitee a 15 % au sein de chaque parcelle.

赤ワインの場合主要葡萄はピノ・ノワール、補助葡萄としてシャルドネ、ピノ・ブランとピノ・グリ、ヨンヌ県に限ってだけですがセザールは10%以下として認められていて、その他所謂クリュ・ボージョレの範囲だけに限りガメイ・ノワールが30%以下で認められています。

ということはブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの赤ワインではピノ・グリ100%はあり得ないのです。

最後のロゼの葡萄規定をご覧下さい。主要葡萄はピノ・ノワールそしてピノ・グリとなっておりピノ・グリ100%は唯一可能なわけです。

さてここでエチケットに記載する事項を確認してみましょう。

こちらのサイトをご覧下さい。フランスワインのエチケットに記載される項目について書いてありますが、コピーさせて頂くと

① 原産地名称
② フランス産: 輸出用のワインはこの表記が必要。
③ 原産地統制呼称名: 産地(栽培地)が明記され、産地にはそれぞれ規制があり、その規制をすべてクリアーしたもの。 (シャンパンに関しては義務づけられていない)
④ 壜詰め元(生産者)名: ワインに対して法的責任を負う。
*<Mis en bouteille a la propriete>と記載されたものは、協同組合やネゴシアンで、
<Mis en bouteille au Chateau> は、シャトーで、それぞれ瓶詰めされたもの。
この表記は、この場所が、葡萄の収穫と醸造がなされた場合又はごく近い場所で瓶詰めされた場合に限り許される。
⑤ 壜詰め元(生産者)住所
⑥ 容量
⑦ アルコール度:容量当たりのアルコール度
任意記載事項だが、<ヴィンテージ>及び<商標ないしシャトー名>が通常記載される。

お気付きでしょうか? ワインの色については何ら規定がないということ。即ちエチケットにワインの色を明記する必要はありません。この場合 Bourgogne Hautes Côtes de Nuits のあとに赤ワインなら Rouge 、白なら Blanc 、ロゼなら Rosé と表記する必要はない訳です。

これが盲点なのです。

実はこのワイン INAO へは「ロゼ」として報告してあるとのこと。ラベルにロゼと記載する義務はない訳でピノ・グリ100%の自称ロゼワインは法令上販売可能なわけです。
| ワイン日記::フランスワイン |
| 05:03 PM | comments (0) | trackback (x) |

Bourgogne Hautes Côtes de Nuits Pinot Gris Dit Beurot "Les Larets" 2014 Domaine Yves Chaley
エチケットのど真ん中に「ピノ・グリもしくはブーロ」と使われる葡萄名を明記してあるワインです。グラスに注ぐと少し黄色味を帯びた白ワインで香りは特徴的な要素をあまり感じられません。

味の密度は高く濃厚さはあるものの飲み疲れのするような重いワインではありません。

ふと振り返るとブルゴーニュの白ワインにピノ・グリ100%などあり得ないということに気が付きました。ネットを調べるとブルゴーニュの公式サイトと思われるこちらが出てきました。白ワインの説明を見ると次のように書いてあります。

白( Chardonnay、稀に Pinot Blanc または Pinot Gris )は極めて淡い金色から淡い金色、樽熟成されたものは黄色を帯びる。

おや? ピノ・グリだけでも造られるのかな? ということでアペラシヨン・ブルゴーニュの葡萄規定を調べると

1°- Encépagement
a) - Les vins blancs sont issus des cépages suivants :
- cépages principaux : chardonnay B, pinot blanc B ;
- cépage accessoire : pinot gris G.

a) - Vins blancs :
La proportion du cépage pinot gris G est inférieure ou égale à 30 % de l’encépagement.

主要葡萄はシャルドネとピノ・ブラン、補助葡萄として栽培比率 30% 以下という制限があります。即ちシャルドネ100%、ピノ・ブラン100%はOKですけどピノ・グリ100%では法令違反となってしまいます。

それでは何故こんなワインが堂々と売られているのでしょう?



| ワイン日記::フランスワイン |
| 05:00 PM | comments (0) | trackback (x) |

Chablis Grand Cru Moutonne とは


AOC シャブリ・グラン・クリュにはクリマの名を伴う7つのクリュ以外にもう一つデノミナシヨンが存在します。フランスのワイン法から AOC Chablis Grand Cru を開くと

Chablis Grand Cru
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Blanchot
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Bougros
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Grenouilles
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Les Clos
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Preuses
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Valmur
Voir les produits de cette dénomination --Chablis Grand Cru Vaudésir

例えばブランショとレ・クロのワインを混ぜたとしたらシャブリ・グラン・クリュ・ブランショあるいは同レ・クロを名乗れず、一番上のクリマ(区画の名前)を伴わない「Chablis Grand Cru」をラベルに記載することと相成ります。

現在に於いてもあるいは過去に遡っても「Chablis Grand Cru Moutonne」をフランスのワイン法では認めておりません

ではムートンヌって一体何か?

結論から申し上げると大手ネゴシアンであるアルベール・ビショー社が「ブランド名」としてラベルに使っているだけであります。

法律上認められないクリマですが実際にラ・ムートンヌというクリマは存在しています。ラ・ムートンヌを名乗る畑の大部分はシャフリ・グラン・クリュ・ヴォデジールに存在し、ほんの一部分はシャブリ・グラン・クリュ・プルーズにあります。法律上はヴォデジールとプルーズのアサンブラージュであり、一番上のデノミナシヨンに該当するという考えであります。

たまたまブランド名 Moutonne がアルベール・ビショー社の云う畑の名前 La Moutonne と同じと云うだけで法には抵触しないと云うのが INAO の見解と思われます。

フランスワインの法律ではエチケットに所定以外の記載をある程度許容しています。例えば「Grand Vin de Bourgogne」とかシャンパーニュでは「Dom Pérignon」またコート・デュ・ローヌではデカデカと「パラレル45」などの例がありますね。即ちこのムートンヌはアルベール・ビショー社がヴォデジールあるいはプルーズという法令で定められたクリマを伴うシャブリ・グラン・クリュを名乗れないワインを「ムートンヌ」というブランドを付けて商品化したもの。あくまでシャブリ・グラン・クリュには違いない訳ですからクリマを伴わないデノミナシヨン・シャブリ・グラン・クリュをラベルに記載している訳です。

実際の畑の位置はABC du Vin.com のサイトからこちらをご覧下さい。冒頭に拡大画像をコピーさせて頂きます。
| ワイン日記::フランスワイン |
| 05:41 PM | comments (0) | trackback (x) |

Château Béhèré Courtin 2009 AC Pauillac
シャトー・ベエーレ・クルタン ドゥ・ミル・ヌフ アペラシヨン・ポイヤック・コントロレ ボルドーはジロンド河の左岸、オー・メドックのポイヤックに属するシャトー・ベエールのセカンドワインです。

エチケットに「Béhèré」と印字されているのですからフランス語のお決まりに則り「ベエレ」普通は「ベエーレ」と発音するのが常識的であります。日本語のサイトでは「ベヘレ」と記載しているところを見掛けますが、フランスの常識も弁えないでワインを云々するのは如何なものかと申し上げたい。フランス人に「H」は発音できません。

またベールエール・クータンと呼んでいるところもありますが、このスペルからどうして「ベール」が出てくるのか理解できません。

twitter で知り合いになったイギリス人が詳しく書いていたのでご紹介したいと思います。つづく
| ワイン日記::フランスワイン |
| 06:20 PM | comments (0) | trackback (x) |


PAGE TOP ↑
Copyright © 2006 ワインとピアノのある部屋::ワイン日記::フランスワイン
All Rights Reserved./Skin:oct