ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

「コトー・デ・シュッド・デペルネ」とは何ぞや?
京都のワインでは老舗のお店のサイトにこんな言葉を見つけました。サイトからコピーさせて頂くと

本拠地は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・デ・ブランの間に位置する、 1996年に誕生した新たな注目地域であるコトー・デ・シュッド・デペルネ村にあります。こちらでは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの柔らかさとコート・デ・ブランの 酒質の強さ、この両方の素養を持った優良なシャンパーニュが造られます。

1996年に誕生した地域? 

最近で新たにシャンパーニュとして認定された地域などありません。コミューンならありますが、地域など認定されるはずもないのですが調べてみましょう。またサイトにあるコトー・デ・シュッド・デペルネ村などフランスのコミューンにそんな名前などありません

こちらのサイトだけではなく「エペルネ南の新地域“コトー・ド・シュッド・デペルネ”」は神戸の老舗ワインショップのサイトにもあります。もちろん他にもたくさんありますが。

誰が言い始めたのか知りませんが大きな間違いであります。

ちゃんとした名称は Les Côteaux Sud d'Épernay レ・コトー・シュッド・デペルネ、恐らくフランス語をカタカナ表記に置き換えたときに何らかの間違いがあったのをそのままコピーされ続けているのでしょう。

ちょっと検索するとすぐに登場しますがネタ元はこちら、要するにINAO などが新たに認定した地域ではなく、元々「エペルネの近所」をうたい文句にしていた地域の葡萄栽培農家やシャンパーニュ生産者が寄り集まって新たな名称で客を呼ぼうとしただけのこと。即ち公式な地域名称ではありません。エペルネとコート・デ・ブランの中間なので「エペルネの南の丘陵」を新たな呼称として定着させようと試みただけのお話であります。

老舗のワイン販売店がこのような為体では困りますね。

レ・コトー・シュッド・デペルネは次の13のコミューンのシャンパーニュ生産者並びに葡萄栽培業者によって構成される組織の名称です。決して新しく認定された地域名称ではありません。

1. Pierry
2. Moussy
3. Vinay
4. Saint Martin d'Ablois
5. Brugny
6. Vaudancourt
7. Courcourt
8. Chavot
9. Monthelon
10. Morangis
11. Moslins
12. Mancy
13. Grauves


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Chez Chilo JR三ノ宮西口
初めての訪問です。場所は阪急電鉄よりJR三ノ宮西口から程近い、某予備校の向かいにあります。

ここのお店は所謂ドゥー・プラ、黒板のお品書きの前菜から一つとメインを一つの2皿でコースとするスタイルです。注文の仕方の説明はありましたが「季節物もあります」とのことでプレゼンされたのがホワイト・アスパラ。もちろんお願いすることにして前菜+ホワイト・アスパラ+メインということに決定。


指定されたテーブルにつきまずはシャンパーニュをお願いします。


私が選ぶのはマルヌ県の物だけ。シャンパーニュ地方とは大きく分けるとランス・エペルネ周辺地域と遥か彼方ブルゴーニュ近くのオーブ周辺の物があり、私は前者しか頼みません。

頼んだものはシャンパーニュ・E・ジャマール・エ・スィー(カンパニーの略)のカルト・ブランシュ、白ラベルです。シャンパーニュのエチケットには必ず生産者の場所を明記しなければなりませんが、ちゃんとカルト・ブランシュの下にサン・マルタン・ダブロワ、マルヌ県って表記があります。

しかしネットで調べると昨日のブログで書いたように「とんでもない村にある」という表記を見つけたので書いてみました。エチケットに「SAINT MARTIN D'ABLOIS-MARNE」とあるのに何故「コトー・デ・シュッド・デペルネ村にある」とするのか私には理解できません。

輸入元の紹介文をそのままコピー・ペーストするのでしょうか、もう少し矜持をもってワインと向き合って頂きたいと思います。お店とは関係のないお話ですみません。


さてシャンパーニュで乾杯の後登場したのが豚のリエット。このリエットで思い出すのが亡くなった船橋さん。心斎橋で2回、後に阿波座に移転したフレンチ、オー・プティ・コントワのオーナー・シェフです。大阪の店を畳んで関東方面へ、最期は何故か鹿児島でその生涯を閉じたそうです。


で、私が頼んだのは Hors-d'ouvre variés その名の通りオードブル・盛り合わせ。印象としては京都のコリスさんみたいなお料理です。


他の人のオーダーからシーザー・サラダ。リエット同様かなりニンニク風味強い目ですので若い方向けのお料理なのでしょうね。


リー・ド・ヴォーとモリーユ茸のパテ・アン・クルートにはたっぷりのマーシュが付け合わせに。


前菜の後はロワール産のホワイト・アスパラ、オーソドックスにオランデーズソースで頂きます。ホワイト・アスパラは太い新鮮なもので茹で方そしてソースまで完璧です。


コート・デュ・ジュラのサヴァニャンがあっという間に空となり次に頼んだのはトリンバックのリースリング。

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Muscat de Hambourg N




フランス語ではミュスカ・ド・アンブール(もしくはアンブルグ)と読むはずですが、VIVC2 が採用する正式名称は Muscat Hambourg 何と英語でして英語読みするとマスカット・ハンバーグになりそうです。Forvo の発音はこちらを開いてお聞きください。

拙ブログではこちらで書きましたが、ミュスカ・ド・アンブールが生まれたのは何と英国ではっきりとした履歴が残っています。

現在の VIVC2 のパスポートデータはこちら、シノニムは104 もあります。赤字で表記されているのは国別正式登録名称で、例えばブラック・ミュスカを登録しているのは今国家が2分されてしまったキプロスです。

ペディグリー関係はコピーさせて頂くと

Pedigree as given by breeder/bibliography TROLLINGER × MUSCAT OF ALEXANDRIA
Pedigree confirmed by markers SCHIAVA GROSSA × MUSCAT OF ALEXANDRIA
Prime name of parent 1 SCHIAVA GROSSA
Prime name of parent 2 MUSCAT OF ALEXANDRIA
Parent - offspring relationship
Breeder Snow, R.
Breeder institute code
Breeder contact address Private breeder
Year of crossing 1850

生産者の発表ではトロリンガーとマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配、遺伝子検査の結果はスキアーヴァ・グロッサとマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配。母親がスキアーヴァ・グロッサで父親がマスカット・オブ・アレキサンドリア。交配された年は1850年という意味です。

当時ヨーロッパではイタリアとドイツで広く栽培されていたのが母親となる葡萄でトロリンガー、最近の遺伝子分析によりイタリア原産のスキアーヴァ・グロッサであることが判明したため、上記のデータとなっている訳です。所変われば呼び方が変わる訳でシノニムが多いということはそれだけ広範囲に栽培されていたことを示すものとお考え下さい。

画像を拝借しているサイト
では当該葡萄の由来を次のように示しています。

Cette variété est d’après les analyses génétiques publiées, issue d’un croisement entre le Muscat d’Alexandrie B et le Frankenthal N.

ところがフランケンタールN という葡萄はフランス国家登録もなければこのサイトの「F」で始まる葡萄にも載っていません。

フランス国立農学研究所関連サイトではこちらのように(Détails をクリックして親子関係を見る)原産国不明として親子関係は

Mère/parent1 réel : Muscat d'Alexandrie
Code mère/parent1 réel : 308
Père/parent2 réel : Frankenthal = Schiava grossa
Code père/parent2 réel : 766

真の父親はフランケンタール=スキアーヴァ・グロッサとしています。

詳しく説明させて頂くと現在のところフランケンタールと呼ばれる葡萄は2つ存在して1つはスキアーヴァ・グロッサですがもう1つはスキアーヴァ・ジェンティーレ、ですから誤解を招く表現は避けて頂きたい。

ついでに申し上げるとフランス葡萄に詳しいサイト もフランケンタール説を唱えています。

さて黒マスカット、マスカット・ハンバーグは以前のブログで申し上げたようにフランスでは食用葡萄として食べられることに重点を置き、ワイン用としてはテーブルワインそれもブラッシュ・ワインみたいな色の薄いロゼを造る原料ブドウとなっています。

尚、こちらのサイトの説明(アペラシヨン・パレットでの10%以下の補助葡萄)というのは根拠がありません。法令では10%以下という表記は存在しません。念のためアペラシヨン・パレットの赤・ロゼ葡萄規定を示します。

1°- Encépagement
b) - Les vins rouges et rosés sont issus des cépages suivants:
- cépages principaux : cinsaut N, grenache N, mourvèdre N;
- cépages accessoires : brun fourca N, cabernet-sauvignon N, carignan N, castet N, durif N, muscat à petits grains Rg, muscat de Hambourg N, petit brun N, syrah N, téoulier N, terret gris G, tibouren N.

2°- Règles de proportion à l’exploitation
La conformité de l’encépagement est appréciée, pour la couleur considérée, sur la totalité des parcelles de l’exploitation produisant le vin de l’appellation d’origine contrôlée.
b) - Vins rouges et rosés:
- La proportion des cépages principaux est supérieure ou égale à 50% de l’encépagement;
- La proportion de chacun des cépages principaux est inférieure ou égale à 80% de l’encépagement;
- La proportion du cépage mourvèdre N est supérieure ou égale à 10% de l’encépagement;
- L’encépagement destiné à la production de vins rosés peut, en outre, comporter les cépages énumérés pour la production des vins blancs, dans une proportion inférieure ou égale à 15% de l’encépagement.

パレットの赤ロゼ主要葡萄はサンソー、グルナッシュ・ノワール、ムルヴェドルでありムルヴェドルは最低10%以上という規定はあるものの主要葡萄の合計は50%以上80%以下、赤ワイン補助葡萄のうち当該葡萄に割合規定は存在しないので最大20%以下なら問題ないはずです。従って10%以下には制限されていないというのが私の見解です。
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Muscat d'Alexandrie B




フランス政府の登録名称は上記の通りで発音は Forvo からこちらを開いてお聞きください。ミュスカ・ダレクサンドリと聞こえるように思います。

正式名称は Muscat of Alexandria 英語読みするのは従来英国原産と云われていたのがその理由であろうと思います。4年前の拙ブログのこちらで書きましたが当時と現在ではペディグリーが異なっています。昔は次の通り、コピーさせて頂くと

Country of origin of the variety  ITALY
Original pedigree MUSCAT BLANC A PETITS GRAINS × AXINA DE TRES BIAS
Prime name of pedigree parent 1  MUSCAT A PETITS GRAINS BLANCS
Prime name of pedigree parent 2  AXINA DE TRES BIAS

内容については以前のブログをご覧ください。イタリア原産となってました。

現在新しい VIVC2 のパスポートデータはこちら

Country of origin of the variety GREECE
Pedigree confirmed by markers MUSCAT A PETITS GRAINS × HEPTAKILO
Prime name of parent 1  MUSCAT A PETITS GRAINS BLANCS
Prime name of parent 2  HEPTAKILO

一見すると父親が別の葡萄と入れ替わったように思われるかもしれませんが、実はイタリア原産と思われていたアキシナ・デ・トレス・ビアスは遺伝子の分析結果としてギリシャ原産のヘプタキロだと判明した訳です。

名前こそ変わった訳ですが実は同じ葡萄を意味します。

フランスではミュスカ・ダレクサンドリとして殆どが天然甘口ワイン用として栽培され、わが国では贈答用お高い葡萄の代表マスカット・オブ・アレキサンドリア、もちろん食用葡萄として流通していますが、全く同じ葡萄でして日本での栽培は岡山県がそのほとんどを占めるそうです。
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Muscat cendré B




拙ブログでは4年ほど前にこちらで取り上げました。ミュスカ・サンドレもしくはミュスカ・ソンドレと発音するはずです。

画像を拝借したサイトでは1973年国立農学研究所に於いてピノ・グリとミュスカ・オットネルとの交配により生まれた白葡萄となっています。

VIVC2 のサイトはこちら、親子関係は明白で

Prime name of parent 1  PINOT GRIS
Prime name of parent 2  MUSCAT OTTONEL

母親がピノ・グリ、父親がミュスカ・オットネルであります。昔のブログで書いた通りコルマールの INRA で生まれた葡萄で当然のことながらアルザスで実験栽培されたものの、現在は専らフランス各地の IGP で使えるようになっています。こちらをご覧ください。

法令の葡萄規定にその名はありますが実際に栽培されているかは別のお話ですので、ご注意くださいませ。

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