ワインとピアノのある部屋

八戸ノ里南を西へ入った自転車店のつぶやき

Moschofilero Rs


すみません、新しく登録された葡萄を見落としていました。名前は古代ギリシャ語? とのことでモスコフィレロと発音すると Forvo に載っています。別のサイトではモスコフィーレロに聞こえます。このサイトはギリシャの葡萄に詳しいので便利です。

モスコフィーレロってフランスで栽培されているのでしょうか?

画像はこちらのサイトから拝借しました。スクロールして頂き最後の方に登場しています。ギリシャはペロポネソス半島の Mantinía というアペラシヨンの葡萄規定では当該葡萄を 85% 必要とのこと。

検証してみましょう。モスコフィエロを現在のギリシャ語ではどう表記するのか、それから始めてみると「Μοσχοφίλερο 」であることを確認しました。次にギリシャのワイン法からペロポネソス、マンティニアと辿っていくとこちらに到達。しかしながらギリシャ語など全く分からないため珍紛漢紛であります。

ようやく見つけたのが次の部分第7章でしょうか、コピーさせていただくと

7. Επιτρεπόμενες οινοποιήσιμες ποικιλίες αμπέλου

(varietà di vite autorizzate)

Ο οίνος Π.Ο.Π. Μαντίνεια (Mantinia) παράγεται μόνο από νωπά σταφύλια των ποικιλιών Μοσχοφίλερο ( σε ποσοστό τουλάχιστον 85%) και Ασπρούδες.

(i vini della DOP Π.Ο.Π. Μαντίνεια (Mantinia) sono prodotti con le varietà Moschofilero minimo 85% e Asproudes)

最後は一文でモスコフィエロは最低でも 85% 必要であるみたいです。

フランスと異なりギリシャのワイン法では葡萄規定は後回しとなっているようです。

VIVC2 のパスポートデータはこちら、ギリシャの葡萄なのですがそのギリシャでは当該葡萄を「FILERI」と定めています。またフランス政府は果皮色「Rs」即ちロゼとしているのですが、VIVC2 では「ROUGE」ルージュとしています。シノニムは次の通り

Synonyms: 12
FILERI
FILERI MANTINEIAS
FILERI PALAIOPYRGOU
FILERI TRIGOLEOS
FILERI TRIPOLEOS
FILLERI TRIPOLEOS
MOSCHO FILERO
MOSCHOPHILERO
MOSCOPHILERO
MOSHOFILERI
MOSXOFILERO
PHILERI TRIPOLEOS

ネットではフランスで当該葡萄を栽培している生産者など見つけられませんでしたが INRA フランス国営農学研究所関連サイトにも登録されているので研究所などで育てられているのでしょうね。名前からしてモスカート、マスカット系統の葡萄であるのは間違いないように思います。
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Mourvèdre N 正式名称 MONASTRELL




フランスでの呼称はムールヴェドル(最近はムルヴェドルと呼ばれることが多い)であり、世界的に通用する VIVC2 の正式名称はスペイン原産なのでスペイン語の MONASTRELL モナストレルを採用しているのが現状であります。

フランスの葡萄に詳しいサイトフランスで栽培される葡萄のサイトでは当該葡萄をスペイン原産と認めていますが、INRA のサイトではフランスのラングドック・ルシヨン原産であるとしたままであります。如何にもフランス的ですね。

2011年ではフランスの栽培面積 9,188ヘクタールと一見広いように思われますが本家スペインの栽培面積は 63,244ヘクタール(2008年)と桁違いに広い訳です。

ムルヴェドルといえばプロヴァンスのアペラシヨン・バンドールでしょうか。

しかしアペラシヨンの葡萄規定は赤ワインの場合 50 ~95% となっており、100% ムルヴェドルというのは法令違反となります。

つづく
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Mourvaison N




ムルヴェゾンという黒葡萄、拙ブログでは4年前にこちらで取り上げました。シノニムなどは以前のブログをご覧下さいませ。

当時は親子関係について何ら示されておりませんでしたが、INRA フランス国営農学研究所により遺伝子の解明が行われ次の事実が判明しました。

Pedigree confirmed by markers  POUGAYEN × AUBUN
Prime name of parent 1  PAUGAYEN
Prime name of parent 2  AUBUN

ムルヴェゾンは正式名称ポーガイヤン(フランス国立農学研究所では POUGAYEN プーガイヤン)を母、オーバンを父として自然交配により生まれた葡萄であります。

微妙に名称が違いますけど、1行目は遺伝子の解明を行ったところの発表をそのまま記載しているので「プーガイヤン×オーバン」となっていて、2行目は母親の正式名称を示している訳ですのでポーガイヤン、3行目は父親の正式名称オーバンとなっているのです。

オーバンはリンクさせて頂いた通りフランス原産の黒葡萄ですが、ポーガイヤンとは VIVC2 からこちらをご覧ください。フランス原産の黒葡萄で、遺伝子解明は進んでおらず GRAIN という原産地不明の黒葡萄との親子関係が認められることしか今のところ分かっていません。

以前のブログでは「Provence-Alpes-Côte d'Azur プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏の原産」とフランス国営農学研究所のデータに記されていたのですが現在のデータは書き換えられておりこちらの通り原産国はフランスという表記のみであります。コロコロとデータを書き換えるわけですからウェブ魚拓に頼る他ありません。

abcduvin.com のサイトではプロヴァンス原産としています。

ムルヴェゾンが使えるフランスの IGP はこちらをご覧ください。

最後になりましたがこのムルヴェゾン100% で造られたワインがネット上にありました。こちらをご覧ください。
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Morrastel N 正式名称 GRACIANO




フランス政府はこの葡萄を モラステルN と登録、法令文言にもこの名称を使っていますが世界的に通用する正式名称は Graciano グラシアーノであります。何故モラステルを使っているのかというとフランス国営農学研究所の発表するデータ ではこの葡萄はフランス原産としており、従って名称もフランスで通用している Morrastel が正しいという訳なのです。

しかし VIVC2 のパスポートデータでは原産国はスペイン正式名称は GRACIANO グラシアーノ、栽培面積はフランスでは僅か 18ha (2011年)に対してスペインは 1,478ha (2008年)、ポルトガルやイタリアでも3桁の栽培面積があります。

グラシアーノの親子関係を見ると MONASTRELL 、MOSCATEL ROMANO FAUX 、そして PLANT DE VIC 98 N 4 の3つが挙がっています。最も重要なのは1番目のモナストレル、フランスでは Mourvèdre N ムールヴェドルと呼ばれる黒葡萄で、名前が似ているだけでなく親子関係も認められるという近親者であります。

さてモラステル、グラシアーノが使えるアペラシヨンですが以前のブログで取り上げたサイトはいつの間にか内容を変えて更新しているのでウェブ魚拓を取り検証してまいります。

サイトでは2つの領域で9つのアペラシヨンで使えるとしています。

まず補助葡萄ながらも10%以下ではないというカテゴリーに

Languedoc : Languedoc Pic-Saint-Loup

ラングドック地区のラングドック・ピク・サン・ルーとしていますが現在のアペラシヨンは ラングドックの1つのデノミナシヨンから独立を果たし AOC Pic Saint-Loup となっています

アペラシヨン・ピク・サン・ルーの法令詳細から葡萄規定の主な部分を抜粋すると

1° - Encepagement .
a) Les vins rouges sont issus des cepages suivants:
Cepages principaux : syrah N, grenache N, mourvedre N.
Cepages accessoires : cinsaut N, carignan N, counoise N, morrastel N.

b) Les vins roses sont issus des cepages suivants :
Cepages principaux : syrah N, grenache N, mourvedre N.
Cepages accessoires : cinsaut N, counoise N, morrastel N, grenache gris G.

2° regles de proportion a l’exploitation:
a). Vins rouges :
- 2 cepages principaux sont obligatoirement presents dans l’encepagement.
- La syrah N doit representer au moins 50 % de l’encepagement.
- Les cepages accessoires ne peuvent representer ensemble ou separement plus de 10% de l’encepagement.
b) Vins roses :
- 2 cepages principaux sont obligatoirement presents dans l’encepagement.
- La syrah N doit representer au moins 30 % de l’encepagement total.
- Les cepages accessoires autres que le cinsaut N sont limites a 10%.
- le cepage cinsault est limite a 30 %.
c) Ces regles de proportion ne s'appliquent pas aux operateurs producteurs de raisins ne vinifiant pas leur production, et dont l’exploitation dispose d’une superficie classee au sein de l’aire parcellaire delimitee inferieure ou egale a 1,50 hectare en appellation d’origine controlee ≪ Pic Saint-Loup ≫.

即ちピク・サン・ルーの赤ワインは主要葡萄(シラー、グルナッシュ。ムールヴェドル)から2つの葡萄(シラーは50%以上)を必要とし、補助葡萄(サンソー、カリニャン、クノワーズ、モラステル)は単独でまたは混ぜても全体の10%以下
ロゼは主要葡萄(シラー、グルナッシュ、ムールヴェドル)から2つの葡萄(シラーは30%以上)を必要とし、サンソー以外の補助葡萄は10%以下、サンソーは30%以下と定められ、1.5ヘクタール未満の栽培生産農家の場合はこの適用を除外するとしている。

つまりアペラシヨン・ピク・サン・ルーでモラステルは10%以下の補助葡萄でしかありません。従ってサイトの説明第1項目は正しくはありません。

次のアペラシヨン・ラングドック関連ですがサイトが挙げているラングドックのラングドック、ラングドック・カブリエール、ラングドック・グレ・ド・モンペリエ、ラングドック・ラ・メジャネル、ラングドック・サン・クリストルという5つはアペラシヨン・ラングドックのデノミナシヨンであるため、これら5つはすべてアペラシヨン・ラングドックでしかありません。

ラングドック関連の最後の AOC Terrasses du Larzac はアペラシヨンから独立して独自のアペラシヨンとなったためラングドック関連のアペラシヨンは合計2つということになります。

コルスの2つはそれぞれ独立したアペラシヨンであり前回の拙ブログに書いた通りモラステルはコルスの2つのアペラシヨンでは10%以下の補助葡萄であります。

従って当該葡萄のモラステル正式名称グラシアーノはラングドック地区の3つのアペラシヨン(AOC LANGUEDOC 、AOC PIC SAINT-LOUP 、AOC TERRASSES DU LARZAC)とコルスの2つのアペラシヨン(AOC AJACCIO 、AOC CORSE もしくは VINS DE CORSE)に於いて、10%以下という規定はあるものの補助葡萄として法令にその名前はありますというのが正しい解釈であります。

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Mornen noir




フランス政府の表記は Mornen N ですが正式名称は Mornen noir であります。

先日取り上げた コトー・デュ・ジエ Coteaux du Gier で栽培されるこの地特有の葡萄の一つがモルナン・ノワールであります。もう片方はシューシヨン、拙ブログのこちらで取り上げました。

4年前ですがモルナン・ノワールは拙ブログのこちらで取り上げました。

現在の最新データは VIVC2 からこちらをご覧下さい。親子関係については

Pedigree confirmed by markers  MONDEUSE NOIR × ?
Prime name of parent 1  MONDEUSE NOIRE
Prime name of parent 2  ?

モルナン・ノワールの母親はモンドゥーズ・ノワール、ですが父親については現在のところ未解明ということであります。

シノニムは次の通り

Synonyms: 12
GOULU NOIR
GULJA NOIR
LJALI SURH
MEDOC NOIR
MONTRUCHON
MORNANT
MORNEN
MORNEN NERO
MORNERAIN
MORNERAIN NOIR
MORNEREIN
PERRIER NOIR

6番目のシノニム「MORNANT」は以前のブログで示したコミューンの名前であります。

さて以前のブログで最後に触れた件ですが、IGP Gers の範囲はというとジェール県全域でありジェール県とはフランスの南西地方に位置する県であります。

当該葡萄モルナン・ノワールはローヌ・アルプ圏のロワール県原産と思われ、ジェール県とはかなりの距離があり、とても栽培されるとは思えません。2013年11月9日付の改正法令によると IGP Gers の葡萄規定は次の通り(夥しい葡萄の数に呆れますが)

5 Encépagement

Les vins bénéficiant de l’indication géographique protégée « Gers » sont produits exclusivement à partir des cépages suivants:

Abondant B, Abouriou N, Aléatico N, Alicante Henri Bouschet N, Aligoté B, Altesse B, Alvarinho B, Aramon blanc B, Aramon gris G, Aramon N, Aranel B, Arbane B, Arinarnoa N, Arriloba B, Arrouya N, Arrufiac B, Arvine B, Aubin B, Aubin vert B, Aubun N, Auxerrois B, Bachet N, Barbaroux Rs, Baroque B, Béclan N, Béquignol N, Biancu Gentile B, Blanc Dame B, Bouchalès N, Bouillet N, Bouquettraube B, Bourboulenc B,Bouteillan B, Brachet N, Brun argenté N, Brun Fourca N, Cabernet franc N, Cabernet-Sauvignon N, Caladoc N, Calitor N, Camaralet de Lasseube B, Carcajolo blanc B, Carcajolo N, Carignan blanc B, Carignan N, Carmenère N, Castets N, César N, Chardonnay B, Chasan B, Chatus N, Chenanson N, Chenin B, Cinsaut N, Clairette B, Clairette rose Rs, Clarin B, Claverie B, Codivarta B, Colombard B, Cot N, Corbeau N, Counoise N, Courbu B, Courbu noir N, Couston N, Crouchen B, Duras N, Durif N, Egiodola N, Ekigaïna N, Elbling B, Etraire de la Dui N, Fer N, Ferraudou N, Feunate N, Folignan B, Folle blanche B, Franc noir de Haute-Saône N, Fuella nera N, Furmint B, Gamaret N, Gamay N, Gamay de Bouze N, Gamay de Chaudenay N, Gamay Fréaux N, Ganson N, Gascon N, Genovèse B, Gewurztraminer Rs, Goldriesling B, Gouget N, Graisse B, Gramon N, Grassen N, Grenache blanc B, Grenache gris G, Grenache N, Gringet B, Grolleau gris G, Grolleau N, Gros Manseng B, Jacquère B, Joubertin, Jurançon blanc B, Jurançon noir N, Knipperlé B, Lauzet B, Len de l’El B, Liliorila B, Listan B, Lledoner pelut N, Macabeu B, Mancin N, Manseng noir N, Marsanne B, Marselan N, Mauzac B, Mauzac rose Rs, Mayorquin B, Mecle N, Melon B, Mérille N, Merlot blanc B, Merlot N, Meslier Saint-François B, Meunier N, Milgranet N, Molette B, Mollard N, Mondeuse blanche B, Mondeuse N, Monerac N, Montils B, Mornen N, Morrastel N, Mourvaison N, Mourvèdre N, Mouyssaguès N, Müller-Thurgau B, Muresconu N, Muscadelle B, Muscardin N, Muscat à petits grains B, Muscat à petits grains Rg, Muscat à petits grains Rs, Muscat cendré B, Muscat de Hambourg N, Muscat Ottonel B, Négret de Banhars N, Négrette N, Nielluccio N, Noir Fleurien N, Ondenc B, Orbois B, Pagadebiti B, Parellada B, Pascal B, Perdea B, Persan N, Petit Courbu B, Petit Manseng B, Petit Meslier B, Petit Verdot N, Picardan B, Pineau d’Aunis N, Pinot blanc B, Pinot gris G, Pinot noir N, Piquepoul blanc B, Piquepoul gris G, Piquepoul noir N, Plant de Brunet N, Plant droit N, Portan N, Portugais bleu N, Poulsard N, Précoce Bousquet B, Précoce de Malingre B, Prunelard N, Raffiat de Moncade B, Riesling B, Riminèse B, Rivairenc blanc B, Rivairenc gris G, Rivairenc N, Romorantin B, Rosé du Var Rs, Roublot B, Roussanne B, Roussette d’Ayze B, Sacy B, Saint Côme B, Saint-Macaire N, Saint-Pierre doré B, Sauvignon B, Sauvignon gris G, Savagnin blanc B, Savagnin rose Rs, Sciaccarello N, Segalin N, Select B, Semebat N, Semillon B, Servanin N, Sylvaner B, Syrah N, Tannat N, Tempranillo N, Téoulier N, Terret blanc B, Terret gris G, Terret noir N, Tibouren N, Tourbat B, Tressot N, Trousseau N, Ugni blanc B, Valdiguié N, Velteliner rouge précoce Rs, Verdelho B, Verdesse B, Vermentino B, Viognier B.

決してそんなに広い地域とは思えませんが、フランスの各地で栽培される葡萄という葡萄はすべて網羅してあるような葡萄規定など何の役に立つというのでしょうか?

しかしながら、葡萄なら何でも来いの IGP アトランティクや IGP ペリゴールの葡萄規定には当該葡萄は含まれていません

では何故モルナン・ノワール(フランス政府はモルナン・N という名称を採用しているので表記は Mornen N )が IGP ジェールの葡萄規定に盛り込まれているのでしょう

結論を申し上げると法令文言を作成したお役人さんがどこかで見つけたのでしょう「コトー・デュ・ジエのモルナン」、Gier を間違って「Gers」と勘違いしたのでしょう。そんなわけでIGP ジェールの葡萄規定にモルナンを追加してしまったと考えます。

全てのIGP とは申しませんが、IGP の葡萄規定はその地特有の葡萄を盛り込むべきであり何ら関係のない植えられてもいない葡萄は排除すべきであります。もちろんそれなりの葡萄規定もあるにはあります。
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