ワインと葡萄

ワイン用ブドウラボ、たまにピアノ

Sugraeighteen B




シュグラエイティーン(英語表記)という白葡萄。
フランス農務省が公表している Le catalogue des vignes cultivées en France フランスで栽培される葡萄目録 からアルファベット順に検証し続けている。

引き続き近年フランス政府が自国で栽培される葡萄として登録したものの栽培面積ゼロという不可思議な葡萄について述べることにする。画像はいつものこちらから拝借、またしても米国原産の食用葡萄で、またしても2016年栽培面積ゼロである。

フランス原産とされる葡萄で VIVC に登録されているのは現在 5,646 アイテム存在する。現在までにフランス政府が登録しているのは外来種も含めて383アイテム。単純計算して登録漏れのフランス原産葡萄は 5,263 アイテム以上存在するという事。

さて「シュグラ+番号」みたいな葡萄は次の通り30が VIVC に登録されている。ONE から FORTYTWO まであるが欠番もある。

SUGRAONE     12087
SUGRAEIGHTEEN 22757
SUGRAFIFTEEN     23784
SUGRAFIVE     13721
SUGRAFORTY     24476
SUGRAFORTYONE 24475
SUGRAFORTYTWO 24473
SUGRAFOURTEEN 23785
SUGRANINETEEN 22761
SUGRASEVENTEEN 24501
SUGRASIX     24810
SUGRASIXTEEN     22756
SUGRATHIRTEEN 17652
SUGRATHIRTYEIGHT 24474
SUGRATHIRTYFIVE 24471
SUGRATHIRTYFOUR 24480
SUGRATHIRTYNINE 25487
SUGRATHIRTYONE 24472
SUGRATHIRTYSIX 24477
SUGRATHIRTYTHREE 24508
SUGRATHIRTYTWO 23207
SUGRATWELVE     17057
SUGRATWENTY     24502
SUGRATWENTYEIGHT 24511
SUGRATWENTYFOUR 24419
SUGRATWENTYONE 24503
SUGRATWENTYSEVEN 24510
SUGRATWENTYSIX 24509
SUGRATWENTYTHREE 24479
SUGRATWENTYTWO 24504

全てが同じ生産者ではないが、恐らくこちらの会社が開発の元締めではないだろうか? こちらを開くと更に大きな数字を伴う、例えば Sugrafortyeight とか Sugrafiftyone など紹介されている。これらは未だVIVC に登録申請していないか現在登録中なのかいずれVIVCのリストに載るであろう。

毎日のように新たな葡萄が交配や交雑により増え続けているのが今の世の中である。

シュグラエイティーンのVIVCデータはこちら、主な内容は

Prime name SUGRAEIGHTEEN
Color of berry skin   BLANC
Variety number VIVC 22757
Country of origin of the variety UNITED STATES OF AMERICA
Species VITIS VINIFERA LINNÉ SUBSP. VINIFERA
Pedigree as given by breeder/bibliography REDGLOBE × SUN WOLRD SEEDLING 069-172
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1 RED GLOBE
Prime name of parent 2 SUN WORLD SEEDLING 69- 172
Parent - offspring relationship
Offspring
Breeder  Cain, David Wayne
Breeder institute code
Breeder contact address International Fruit Genetics LLC
Year of crossing  1990
Year of selection
Year of protection
Formation of seeds   NONE
Sex of flowers  HERMAPHRODITE
Taste   MUSCAT

日本でも馴染みあるレッドグローブが母、サン・ワールド・シードリング069-172 が父として1990年に開発されたばかりの食用葡萄で味はマスカット風味とのこと。外来葡萄の受け入れには非常に寛容な国、それがフランスである。
| ワイン雑感 |
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Suffolk red の果皮色
追記 INRA フランス国立農学研究所系のサイトである Réseau Français des Conservatoires de Vigne レゾー・フランセ・デ・コンセルヴァトワール・ド・ヴィーニュからこちらを開くと果皮色について次の記載がある

Couleur pellicule : Rouge

即ち INRA では当該葡萄の果皮色ルージュと認定している訳だ。同じフランス政府が関わる2つのサイトで異なる見解を示すのは如何なものかと思う。
| ワイン雑感 |
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Suffolk red Rs




またもやフランスとは無縁の葡萄の登場である。フランス政府が 2015年にリスト A2 即ち食用葡萄に追加したとのことだが例によって 2016年栽培面積ゼロの葡萄、フランス政府系サイトでは名前の末尾「Rs」になっているが、VIVC では当該葡萄の果皮色を「ROUGE」としている。


これら2つの画像は VIVC から拝借したが、色はどちらも赤い。フランス政府系サイトの葡萄画像は未熟果も含まれ、明らかに成熟した葡萄房では無い

説明では米国ニューヨーク州農業試験場にて開発された ヴィニフェラ×ラブルスカ の種間交雑葡萄とのことだが、VIVC のデータはこちら、主な事柄は

Prime name  SUFFOLK RED
Color of berry skin   ROUGE
Variety number VIVC 12038
Country of origin of the variety UNITED STATES OF AMERICA
Species   VITIS INTERSPECIFIC CROSSING
Pedigree as given by breeder/bibliography FREDONIA × KISHMISH CHERNYI
Pedigree confirmed by markers FREDONIA × KISHMISH CHERNYI
Prime name of parent 1  FREDONIA
Prime name of parent 2  KISHMISH CHERNYI
Parent - offspring relationship
Offspring   YES
Breeder Stout, A.B.
Breeder institute code
Breeder contact address New York State Agricultural Experiment Station and New York Botanical Garden
Year of crossing 1935

正式名称はサフォーク・レッド、果皮色ルージュ、かけ合わせは開発者の発表と遺伝子解析結果は同じで母親がフレドニア、父親はキシュミシュ・チェルニイ、ニューヨーク州農業試験場と同植物園で交雑は1935年とのこと。

父親のキシュミシュ・チェルニイはヴィティス・ヴィニフェラに属しフレドニアの父親葡萄がヴィティス・ラブルスカに属することから当初の説明に矛盾点は無い。シノニムは次の3つ

NEW YORK 21572
NY 21572
SUFFOLK RED SEEDLESS

因みに系図はこちら


フランスとは縁もゆかりも無さそうな食用葡萄でしかも栽培面積ゼロの葡萄をフランスで栽培する葡萄としてフランス政府が登録するのはまことに不自然である。

また名前からして「レッド」なのにどうしてフランス政府は果皮色を「ロゼ」とするのか甚だ疑問である。ちなみに他のサイトの画像は明らかにもっと赤い。


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フランス政府が「Sophie B」と登録する葡萄




これまたレ・セパージュのサイトに載っていない葡萄である。画像を拝借しているこちらによるとそのオリジンは

La variété Sophie B (hybride interspécifique) a été obtenue par Weiss-Mayer en Autriche et provient d'un croisement entre l'Aron B et l'Original Rg.

「オーストリアの Weiss-Mayer によって入手されたもので Aron B とOriginal Rg の交雑種」と説明がある。また2013年にフランスで栽培される葡萄として登録され、ドイツの葡萄目録にも載っているとのことである。また用途として不思議な文言「Variété d'agrément pour amateurs 素人向け趣味的葡萄」との記載がある。普通は食用もしくはワイン用あるいは共用と示されるはず。

そしてまたしても2016年栽培面積ゼロ

Sophie のVIVC のデータはこちらで、ざっと概要をコピーすると

Prime name ARON
Color of berry skin  BLANC
Variety number VIVC 14014
Country of origin of the variety HUNGARY
Species VITIS INTERSPECIFIC CROSSING
Pedigree as given by breeder/bibliography EGER 2 × PERLETTE
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1 VILLARD BLANC
Prime name of parent 2 PERLETTE
Parent - offspring relationship
Offspring   YES
Breeder  Csizmazia, Jozsef; Bereznai, Laszlo
Breeder institute code HUN046
Breeder contact address KRF Research Station for Viticulture and Enology University of Horticulture and Food Industry Kölyuktetö

ソフィーとはシノニムであり正式名称はアロンという白葡萄で原産国はハンガリー。種間交雑で交雑した生産者のデータによると母親葡萄はEGER 2で父親はPERLETTE、それぞれの正式名称は母ヴィラール・ブラン、父ペルルットだろうか。

フランス政府系サイトと全く異なる見解である。

当初の説明即ち「un croisement entre l'Aron B et l'Original Rg」、また「obtenue par Weiss-Mayer en Autriche 」に該当する葡萄はこちらFRANZISKA である。FRANZISKA の親子関係などは次の通り

Prime name FRANZISKA
Color of berry skin   BLANC
Variety number VIVC 22611
Country of origin of the variety AUSTRIA
Species  VITIS INTERSPECIFIC CROSSING
Pedigree as given by breeder/bibliography ARON × ORIGINAL
Pedigree confirmed by markers
Prime name of parent 1 ARON
Prime name of parent 2 ORIGINAL
Parent - offspring relationship
Offspring
Breeder  Weiss, G.P.; Mayer, G.
Breeder institute code
Breeder contact address Rebenzüchtung Weiss - Mayer
Year of crossing
Year of selection
Year of protection  2008

フランジスカはオーストリアで種間交雑(アロン×オリジナル)で生まれた白葡萄、2008年に認められたばかりの葡萄である。

つまりフランス政府がソフィーと登録した葡萄は、その説明文が正しければソフィーではなくフランジスカと訂正しなければならない

もし名前が正しいとするならソフィーとはシノニムであり正式名称はアロンつまりハンガリー原産の種間交雑葡萄ということになるから説明文は改めなければならない

そもそも栽培面積ゼロでその出所も確かでない葡萄を国家登録してしまったのだからフランス政府の失態と云わざるを得ない。

| ワイン雑感 |
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Silara N
恐らくシラーラと発音するであろうフランス原産の黒葡萄。だがいつも画像が載っているこちらのサイトに画像は無い。さらに2016年の栽培面積ゼロである。殆ど何も詳細は載っていないが唯一載っているのはクローン番号1248だけ。

フランス他ヨーロッパの葡萄に詳しいレ・セパージュのサイトに当該葡萄は載っていない。

唯一フランス葡萄のデータベースともいえる Réseau Français des Conservatoires de Vigne にだけその名がある。しかし当該葡萄の情報としては次の記載があるだけ

Silara [Synonyme : Seibel 10796]
Type : Hybride interspécifique producteur
Couleur pellicule : Noir
Espèce : Vitis × interspécifique
Couleur pulpe : –
Unité : Plante
Saveur : –
Utilisation : Cuve
Pépins : –
Pays : France
Obtenteur : Seibel

VIVC のデータはこちら、唯一のシノニムとして SEIBEL 10796 がある。

2つのサイトから生産者はアルベール・セイベル

こちらのサイトからブリーダーをクリックして生産者アルベール・セイベルをクリックすると膨大な数の「seibel +番号」が現れる

番号は1から始まり2はあるが3は欠番、その後連続ではないものの何と19975 まであり最後は「Seibel +番号」ではなく Seibel A である。Seibel 10796 は確かに載っているがその親葡萄の名は載っていない。示されているのは果皮色ノワールのみである。また「シラーラ」という別名の記載も無い。

因みに昨日取り上げた Seibel 4986 =Rayon d'Or は載っているが Seibel 4968 の記載は無い。このサイトの作成者は目が悪いのか「86」を「68」に見間違えた可能性が高い。

とにかく栽培面積ゼロのしかも殆ど知られていない種間交雑葡萄を敢えて国家登録するのは何か理由があるのか不思議という他無い。
| ワイン雑感 |
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