ワインとピアノのある部屋

ワインと食、音楽そして日々の事柄を書き綴ります。

Folle Blanche B




昨日紹介したフォリニャンの父である白葡萄フォル・ブランシュは 1800年代後半にフランス全土を襲ったフィロキセラにより大打撃を受け、それまではコニャックの主たる葡萄であったにも拘わらず、主役の座をユニ・ブランに譲ることになってしまった訳だ。

その理由は接ぎ木することにより病気に弱くなってしまったこと。病気とは灰色黴病、ソーテルヌの貴腐と同じバクテリアである。

自らの根を持っていたときは病気には強かったものの、台木に接ぎ木する事が原因のようで、一気に病弱になってしまったらしい。しかし接ぎ木しないとフィロキセラの餌食になってしまうため致し方ない状況だったのだろう。

画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借した。

同サイトによるとフォル・ブランシュはフランスで忌み嫌われたグエ・ブランの子孫であるとのこと。フランス葡萄に詳しいサイトも同様、拙ブログでもこの葡萄の祖先について同じ事を書いたが、現在様相が変わっている模様。

現在の VIVC のデータはこちら、データから母となる葡萄の名はなくなっている。即ち親子関係は不明。今のところフォル・ブランシュの親子関係については白紙に戻されたと云うこと。

さてフォル・ブランシュを使ったアペラシヨンを有するスティル・ワインと云えばロワールの河口付近の Gros Plant du Pays nantais グロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテだけだ。

詳しくは 2012年の拙ブログを。ヴァン・ド・ペイのときは 100% Folle Blanche だったのに現在の AOC Gros Plant du Pays nantais では葡萄規定が変更になっている。

フォル・ブランシュは白ワインとして上記のグロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテだけしか使えないがブランデー関連のコニャック、アルマニャック、またそれぞれのヴァン・ド・リキュールであるピノー・デ・シャラント、フロック・ド・ガスコーニュ(補助葡萄として)にも勿論使用出来る。

ちなみに IGP のカテゴリーについてはこちらを参照頂きたい。

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Folignan B




フォリニャンと読む白葡萄、拙ブログでは 2012 年 12月にこちらで取り上げた。画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借した。このフォリニャンと云う葡萄はワイン用と云うよりコニャックの原料葡萄と云った方が無難なはず。

3年ほど前 VIVC のデータによると母親葡萄は原産地あるいは果皮色も不明なる 70889 UGNI BLANC だった訳だが現在は改められこちらの通りとなっている。現在の VIVC のデータからフォリニャンの親子関係については

Pedigree as given by breeder/bibliography   UGNI BLANC × FOLLE BLANCHE
Pedigree confirmed by markers   UGNI BLANC × FOLLE BLANCHE
Prime name of pedigree parent 1   TREBBIANO TOSCANO
Prime name of pedigree parent 2   FOLLE BLANCHE

即ちフォリニャンは生産者の発表では母はユニ・ブラン、父はフォル・ブランシュ、これを正式名称で云うとトレッビアーノ・トスカノを母、フォル・ブランシュを父として交配で生まれた葡萄である。

お気付きの方も多いはずだがユニ・ブランもフォル・ブランシュもコニャック地方で栽培される葡萄であり、これらを交配することで何らかのメリットある葡萄が生まれるであろうと考えたに違いない。

ところでこちらをご覧頂きたい。コニャックに使われる葡萄について纏めてあるが、コニャックで使って良い葡萄の内コロンバールはコニャックではなく普通の白ワイン用に使われ、フォル・ブランシュはフィロキセラ襲来以前には主要葡萄として栽培されていたが、フィロキセラの後は接ぎ木することにより灰色黴び病に冒されやすくなったため殆ど栽培されなくなったとのこと。

またモンティルはコニャックというよりこの地で造られるピノー・デ・シャラントに専ら使われ、当該葡萄フォリニャンはユニ・ブランよりも早く成熟して収量も変わらず、灰色黴病には若干弱いものの、より複雑な味わいのブランデーが造られるとの利点を買われ、2005年にアペラシヨンに加えられたとある。

コニャックの原料葡萄として最も広く栽培されるのはこちらの通りユニ・ブラン正式名称トレッビアーノ・トスカノでありその栽培比率は何と 98% とのこと。フィロキセラ襲来前はフォル・ブランシュとコロンバールの方が広く栽培されていた訳でフィロキセラ以降に主役が交代したという訳だ。

さてフォリニャンが果たして普通のワイン醸造のために使われるのかどうか甚だ疑わしいが法律上はこちらのように各 IGP のワインには使えることとなっている。
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Florental N




フロレンタールもしくはフロレンタルと読むフランスで造り出された黒葡萄、所謂種間交雑。画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借。拙ブログでは2012年12月にこちらで取り上げた。

この葡萄の家系図はこちらのサイトから



ところがフランス葡萄に詳しいサイトでは、この葡萄の生い立ちについて冒頭、こんな記述がある。コピーすると

Identification/Origine : hybride producteur direct issu du croisement interspécifique entre le Seibel 8365 ou roi des noirs et le gamay noir obtenu dans les années 1920 par Joanny et Rémy Burdin.

即ち西暦1920年ジョアニーとレミ・ビュルダンによりセイベル8365 もしくはロワ・デ・ノワールとガメイ・ノワールの交配で生まれた種間交雑葡萄であるとしている。

ところが現在までに判明しているのはセイベル 8365 とロワ・デ・ノワールはベツモノであり同一葡萄ではないということ。

VIVC によるとセイベル8365 のデータはこちら 、ロワ・デ・ノワールのデータはこちら。ロワ・デ・ノワールのシノニムでセイベルと名の付くものは SEIBEL 4643 であり、Seibel 8365 ではない。やはり同一葡萄に非ず。

さらにその後に続く文章では

fait partie de l'encépagement de certaines I.G.P. (indication géographique protégée) comme la "Saône et Loire".

即ち IGP の幾つかの(例えば IGP ソーヌ・エ・ロワール)に使える葡萄であるとしているが、今現在この葡萄が使える IGP は IGP DrômeIGP Coteaux des Baronnies の2つだけ。

ちなみに IGP Saône et Loire の葡萄規定は次の通り

Les vins bénéficiant de l’indication géographique protégée « Saône-et-Loire» sont produits
exclusivement à partir des cépages suivants :

1 - pour les vins rouges : césar N, gamaret N, Gamay N, merlot N, pinot noir N, syrha N

2 - pour les vins rosés : césar N, gamaret N, Gamay N, merlot N, meunier N, pinot gris G, pinot noir N, sauvignon gris G, syrha N

3 - pour les vins blancs : aligoté B, auxerrois B, césar R, chardonnay B, chasselas B, chenin B, gamay N, gamaret N, melon B, merlot N, meunier N, pinot blanc B, pinot gris G, pinot noir N, saint-pierre doré B, sauvignon blanc B, sauvignon gris G, savagnin blanc B, syrha N, viognier B.

IGP ソーヌ・エ・ロワールでは赤・ロゼそして白ワインにも当該葡萄の名前はない、即ち使うことは出来ない訳である。

いつもはあまり頼らないが IGP の葡萄規定に詳しいサイトはこちら、やはり IGP ドロームと IGP コトー・デ・バロニーの2つとしている。但し白ワインに使っているかどうかは甚だ疑わしいが・・・。

さて元に戻り家系図を見て頂きたい。拙ブログでも当時ガメイ・ノワールはピノ・ノワールを母、ホイニッシュ・ヴァイスを父として生まれたと書いた訳だがその根拠はこちらである。ガメイ・ノワールは

Original pedigree   PINOT NOIR × HEUNISCH WEISS
Prime name of pedigree parent 1   PINOT NOIR
Prime name of pedigree parent 2   HEUNISCH WEISS

2010年8月18日付けでは VIVC のデータにはそう記されていた訳であり、母がピノ・ノワール、父がホイニッシュ・ヴァイスとされていたのだ。

ところが現在では次のように変更されている。 VIVC のデータはこちら

Pedigree confirmed by markers   PINOT × HEUNISCH WEISS
Prime name of pedigree parent 1   PINOT
Prime name of pedigree parent 2   HEUNISCH WEISS

ここで示される PINOT とはこちらの通りであり、ピノ・ノワールではない。

まだまだ葡萄の親子関係については結論が出しにくい状況のようだ。

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第202回英ちゃん冨久鮓で味わう究極の会
英ちゃん冨久鮓で味わう究極の会に参加したいと世界的に有名な指揮者のお一人からご要望ありとのこと、まことに嬉しいお話しであり、あと2回で17周年を迎える「本格浪花料理とワインの夕べ」は益々レベルアップしていく所存である。


先付けはストレートに蓴菜酢、プリプリの食感が堪らない。


口取りは赤オクラを真ん中に右上から白ダツ、烏賊のとびこ和え、蛸の子そしてモロッコインゲンの胡麻クリーム。


本日の特選素材幻の白身は背と腹そして透けて見える綺麗な皮と肝の湯引きまできちんと揃うのが英ちゃんスタイルである。


のどぐろの煮付け、次元の違う旨味にメンバーの頬が弛む。


大きな鱸を塩焼きに、これまた本日の特選素材である。



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Feunate N




フュナットと読む黒葡萄はフランスの古代葡萄の一つ。画像はフランスで栽培される葡萄のサイトから拝借した。

以前この葡萄を紹介したのは 2012年12月のことで、拙ブログではフランスで忌み嫌われた葡萄グエ、正式名称 HEUNISCH WEISS の子孫と云うだけで片方の親しか判明していなかったのだが、今は両方の親が確定した模様である。

VIVC 現在この葡萄のデータはこちら 、2013年2月のデータはこちら 。現在判明している親子関係は次の通り

Pedigree confirmed by markers   HEUNISCH WEISS × POUGAYEN (PAUGAYEN のシノニムの一つ)
Prime name of pedigree parent 1   HEUNISCH WEISS
Prime name of pedigree parent 2   PAUGAYEN

遺伝子解析の結果フュナットの母はホイニッシュ・ヴァイス、父はフランス原産の黒葡萄で、正式名称ポーガイヤンである。

ポーガイヤンのデータはこちら 、殆ど知られていない葡萄でフランス政府のリスト A-1 にも載っていないもの。

ところがフランス葡萄に詳しいサイト によるとそうではなくポーガイヤンと(グエ・ブラン即ちホイニッシュ・ヴァイスとトゥルソー・ノワールの交配で生まれた) Plant de Mavault プラン・ド・マヴォーとの交配であるとしている。

確かにホイニッシュ・ヴァイスとトゥルソー・ノワールの交配で生まれた葡萄はプラン・ド・マヴォー に相違無いが、ポーガイヤンとプラン・ド・マヴォーとの間に生まれた葡萄はマルサンヌ・ド・ペイ は確認されているものの当該葡萄であるとは認識されていない。

フランス葡萄に詳しいサイトでは根拠としてこちら (関係をチャートで示されているのは12 ページある中の 8 ページ)をリンクしているが、これはかなり古い説である。

ちなみにポーガイヤンを親とする葡萄で今までに判明しているのは次の通り。

BRUN FOURCA 1707  PAUGAYEN × BESTS R 2 V 73
FEUNATE 4122  HEUNISCH WEISS × PAUGAYEN
MARSANNE DE PAYS 15024  PAUGAYEN × PLANT DE MAVAULT
MOURVAISON 8088  PAUGAYEN × AUBUN
TEOULIER NOIR 12362  PAUGAYEN × PLANT D'ENTRECHAUX

即ちブリュン・フルカ VIVC 番号 1707 はポーガイヤンを母、ベスツ・R2V73を父として笑まれた葡萄、中略 テウリエ・ノワール 12362 はポーガイヤンを母、プラン・ダントルショーを父として生まれた葡萄ということが遺伝子解明の結果判明している訳だ。

VIVC のデータで困るのはこのテウリエ・ノワールの表記。本来フランス語表記すると Téoulier Noir とすべきところを TEOULIER NOIR と表記されることである。アクサン・テギュを外されてしまうとどう読むのか分からなくなってしまうではないか!

さてこのフュナットが使えるのはこちら をご覧あれ。アペラシヨンを有するワインには使えず、数多くの IGP 昔のヴァン・ド・ペイには使えるとなっている。しかし 1988年の時点でフランス全土での栽培面積が僅か 2ha なので栽培地はごく限られているはずである。
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