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2007年07月17日

Poupille 2003 AC Côtes de Castillon

7v0717.jpg以前に取り上げたのはヴィンテージ違いのこのワインでしたが2003年はどうなっているのでしょうか? 「舌で味わうことなくワインを判断出来る」と豪語していた静岡のインポーターはいつの間にかこのワインを扱うのを止めたようであります。当時やたらと「ペトリュスと十分比肩出来る」とわめいていたあの女性は雑誌に「リーファー・コンテナーでございます」と云いながらびっしりと平積みされたワインの箱の山を堂々と写真に載せていましたね。リーファー・コンテナーでは決して平積みはしないものです。パレットに入れて間隔を開け空気の流れをよくしないと冷気は行き届かないからであります。ですがあの当時テレビや雑誌は「カリスマ女性ワインインポーター」として大いに持て囃したものです。飛ぶ鳥を落とすが如く東京にまで進出したものの最近パッタリとその名を聞かなくなりました。
前置きが長くなりましたが猛暑で多くの犠牲者を出した2003年のこのワイン、如何なものでしょうか? 先ずは抜栓することにしましょう。コルクは随分見劣りする多孔質の天然物で2001年より安物を使っているのが丸出しの長さ50ミリ。液体に触れたところだけがうっすらと色付いています。コルクへの印字は「VIGNOBLES J M CARRILLE MISE EN BOUTEILLE A LA PROPRIETE」だけであり両端のヴィンテージ表示もなければPOUPILLEの一言もありません。

コルクを引き抜くと甘いアロマが広がります。何処かで似たような香りを経験したことがありますがすぐには思い付きません。グラスに注ぐと一層その香りは広がりますが同時に強いアルコールも感じてしまいます。

ここでインポーターの説明を引用しますと「『カリーユ』家は、サン・テミリオンを拠点に、1790年には既にワイン造りを始めていました。フィリップは父方と母方両方のシャトーを受け継ぎ、現在3つのシャトーの運営をしているオーナー醸造家。ウノローグ(醸造士)でもある彼は、若い時からその能力を発揮、海外各地のワイナリーで醸造技術者として請われ活躍してきました。
シャトーは、カスティヨンの北西に位置し、サン・テミリオンから尾根がつながっている丘陵地帯の一角にブドウ畑があります。岩盤はサン・テミリオンからつながった石灰層、その上を粘土層が覆っており、地質学的にはサン・テミリオンと同じ土壌になります。そうしたプピーユの畑には、メルロ種が見事にマッチします。
フィリップが引き継いでから、ワインの品質・味わいは大きく向上。より自然な栽培方法、より厳格な収穫時の選別、樽熟成中に澱とワインが均一に接触する為の『回転式樽ラック』の導入など不断の改革を進め、年々その品質を向上させ、『より優しく深い味わい』へと発展しています。
また、『高品質なワインを生み出すためには栽培は自然でなければならない』と考える彼は、ほとんど有機といっても良い栽培方法(⇒ リュット・レゾネ)を採っており、2007年ヴィンテージより正式に有機栽培の認証を取得する予定」とのことであります。

先程の香りはペトではなくヴュー・シャトー・セルタンに近いものであるように思い出しました。香りはだんだんと変化してコーヒーや今出回っているプラムを感じます。さすがに色はガーネット系の2003年特有の色、しかし味わいはタンニンが2001年よりは遥かに細やかで甘酸のバランスがよく、かなり高級感が増しています。少し気になるのは苦み成分が多いのと開けた直後はアルコールの強さでしょうか。恐らく蔵出し価格は9ユーロ前後と思われますが税別定価4400円はこの品質なら妥当と云わざるを得ません。

posted by:Georges :

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