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2007年07月21日

第93回英ちゃん冨久鮓で味わう究極の会

世の中には旨い店と云われる店は数あれど、知ってしまうと不幸になるお店はなかなか存在しません。例えばフレンチならハウステンボスのエリタージュでしょうか、古くから付き合いのある上柿元勝氏の自ら作る料理は想像を絶する至高の味わいがあります。もちろん長年の付き合いがあるがこそ至福のひとときが生まれるわけで、誰彼なく美味しいものに出会えるとは考えません。あれこれ食べ歩くのは時には必要ですが、私の場合そんなに美味しい店がどこにでもころがっているとは思いません。これと決めたら徹底的に通う必要があると考えます。
和食ではこの英ちゃん冨久鮓、大阪では有名な食通で浪花組副社長を務められた清谷氏に勧められたのは約20年前のこと。この時初めて知ったのが造りは「背の身と腹の身を盛り、皮の湯引きを添え内臓も付ける」という事。鮒寿司がこんなに旨いものである事。生のさえずりが食べられる事などでしょうか。河豚なら西宮の丸安に夕凪橋の多古安を知ってしまったのもこの頃の事であります。
本当に旨いものを知ってしまうと不幸になるのは経験すれば自らお分かり頂けますが、そこそこのもので満足されている方が幸せに違いありません。
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先付けは蓴菜の酢ゼリー寄せ、胡瓜のトッピングです。蓴菜は器の底に入っていて見えませんが・・・ はじめに酢の物を頂くと胃が刺激され食欲が増してきます。
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次に口取りですが左上から時計回りに「鱧子塩辛」、「手のし蒟蒻」、「縮緬山椒の海苔巻き」、そしてだだ茶豆。何でもワインと合わそうとはしません。鱧子の塩辛には本日の日本酒、和樂互尊純米吟醸を合わせます。
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圧巻はこの造りの鱸! 誰々が獲ったなどという形容詞は付きませんがこんなに旨い鱸は滅多にありません。このコリコリとした食感に皮の湯引きの旨いことこの上なし!
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煮物は今が最も旨い季節を迎えている穴子の鳴門煮、木の芽添え。渦が巻いているのでその名前が付いている調理法です。
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備長炭のカンテキで炙った鱧に由良の海胆を盛る英ちゃんの大将、福田光宏氏。
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これがその炙り鱧+由良の海胆。北海道の明礬添加の海胆と違い逆さに盛ってあります。
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その次は炙り鱧+由良海胆+自家製梅肉。これはまた違った風味に! ちなみにこの梅肉英ちゃんの手作りでM先生は何と一瓶お持ち帰りされることに! 梅肉一つでも他店とは全く違うのがこのお店の特徴でしょう。
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炙り鱧の最後はストレートにそのまま頂きます。今日は大量に鱧を使うため玄界灘の鱧です。皮目だけを炙って頂くのですがまさに贅沢な食べ方! 鱧はこのあとさらに続くのですがその前に例の巨大なヤツが登場するのです。

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焼き物の続きをご紹介すると先ずは韓国産の松茸で実に香りの良いものです。
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次に英ちゃん自家農園の野菜から青唐。
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そして同じく自家農園無農薬栽培のトマト。炭火で焼くと甘さが凝縮されて旨い!
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そしてこの日のために特別に仕入れて頂いた巨大岩牡蠣は日本海能登産のもの。クリームが溢れ出ていますが恐ろしい程身が厚いのが特徴でしょう。
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さらに天然子鮎の唐揚げは6尾もドーンと盛りつけられます。もちろんこれは一人前です。生きているまま唐揚げにするので内臓の苦みもしっかり味わうことが出来ます。
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これは鱧しゃぶ用の鱧ですが、ご覧の通り頭としっぽの部分は除かれ同じ大きさの鱧の身だけが並べられています。一体何尾の鱧が使われたのでしょうか? これで5人前です。鱧しゃぶは鱧の骨からの出汁と薄切りタマネギとレタスと共にポン酢で頂きます。これが何とも云えない美味で、あの大量の鱧はすべて食べ尽くしてしまいました。
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鍋のあとはお決まりの雑炊。お代わりする人続出の旨さです。
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果物は白桃。

ワインはオーストラリアのスパークリングに続きジャン・マリー・シャランの06マコン、82のムーリスのプチシャトーのあとコルトン・シャルマの05、あいだに本日の日本酒も合わせてみました。詳しい銘柄はお問い合わせ下さい。

posted by:Georges :

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